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社内外の解析に関するコンサルタントのテーマを集めました。 |
<社外のCAEコンサルタント利用>
# No.4433 # 2003年1月9日 # 小太郎 #
はじめまして。
ただ今、「どういう時に、どういう条件ならCAE業務を社外のコンサルタント
会社に出すのか?」という問題について考えています。「自社では手に負えない
難しい問題を解決できるなら」とか「自社でやるより外部委託の方が早くて、格
安なら」とかが思いつきます。私は自動車メーカのCAE部署にいますが、業界に
よってニーズは色々だと思います。皆さんの意見をください。
# No.4437 # 2003年1月9日 # shimon #
> ただ今、「どういう時に、どういう条件ならCAE業務を社外のコンサルタント
> 会社に出すのか?」という問題について考えています。「自社では手に負えない
> 難しい問題を解決できるなら」とか「自社でやるより外部委託の方が早くて、格
> 安なら」とかが思いつきます。私は自動車メーカのCAE部署にいますが、業界に
> よってニーズは色々だと思います。皆さんの意見をください。
>
by 小太郎さん
かつて、自社では手に負えないようなケースに社外に出そうかなぁって考えた事が
ありました。しかし、受託業者と話をすると、目玉が飛び出そうな見積り価格を
平気な顔で言われたことを覚えています。
使うソフトが5ライセンス以上買えそうな....しかも、ほしい結果がきちんと
出てくるかどうかは、すすめていかないとわかりませんし。
CAEを日々勤しんでいる身でなんなんですが、逆に言えば、CAEの業務って、
それだけ付加価値が高いんでしょうね?
社内では、結構、便利屋的に使われていますが、CAE専任部隊が行っている
計算(結果)にそれだけの価値があると認識されている実感はないです。
# No.4440 # 2003年1月9日 # 峯田治 osamumineta.hp.infoseek.co.jp/ #
CAEのコンサルタントへの依頼・・・・と言われると、まず、"CAEのコンサルタント"
ってどのような人たちなのかな?と考えますね。例えば、各社ソフトベンダーに
対して有償のベンチマークを依頼するのであれば、1)ソフト使用量、2)人件費
(モデリング、解析ケース数、レポート作成)、3)ハード使用量などが原価として
乗ってくるでしょうが、成果物の検収条件をあらかじめ決めておかないと大変な
ことになりますよね。解析結果と実験結果との対比/精度保証まで含めてベンダ
ー側、コンサルタントが受け持つということはほとんどないような気がします。
要は結果に責任を持てるかどうか?ですよね。射出成形のシミュレーションなど
はほとんどのケースで、解析結果と実際の成形結果とを比較検証できるので非常
に楽しい世界ですが、解析結果にプラスマイナス10%の精度保証をしろと言われ
たら、入力条件などを徹底的に検証する必要があります。例えば、ユーザーが使用
している成形機の性能(機械がスペック通りに動いているかどうか?成形に利用
する樹脂の製造ロットによる物性値のバラツキ?成形品の評価方法(成形後の
経過時間、保存状態など)
例えば、繊維強化プラスチックの構造解析を行う時に、何を考慮するべきか?モデ
リング、メッシュ、境界条件などもあるでしょうが、成形履歴を考慮すれば、繊維強化
樹脂での成形品の弾性率は場所によって異なります。大体最大、最小で2倍くらい
は繊維の配向方向の平行/垂直方向それぞれで異なります。これをモデリング、
メッシュなどの細かな問題ばかり議論して、弾性率だけは場所によらず一定などと
やっていても、あまり意味があるとは思えません。CAEはあくまで、そこにある物理
現象を工学的にどう適切に捉えるか?ということでしかないと思いますから、第一に、
現象の正確な把握、理論の妥当性(限界、前提条件)それに基づく適切な数値解析
手法の適用、物性値、適用条件などの精度。では、粘弾性体である樹脂製品の解析
には、粘弾性を必ず考慮しなければならないか?というと必ずしもそうでもない。その
根拠は現代の理論の限界と商用プログラムといいうるソフトウエアによるワールド
ワイドでのあらゆる成形品の検証結果に基づく判断などが有効となるわけですが。
逆に分子モデリングなどのシミュレーションでは、とてもまともな精度は出ませんから
それを踏まえた上で現実的な利用が図られるわけですが。
という背景の一例を元にして、要は、解析依頼の目的が何か?ということであり、
これは各企業、担当者の考えによって異なるだろうし、対価に対して何を得るか?
精度、モデリングノウハウ、メッシュ作成ノウハウ、結果解釈ノウハウなどそれぞれあ
ると思います。
逆に言えば、企業においてCAE担当部門の人の責任はそのサービスを提供する社内
ユーザーに対して、妥当な精度で結果を予測すること、特にその精度をどの程度とアド
バイスすること。場合によっては、入力パラメータの変動が解析結果にどの程度の影響
を与えうるか?を付加情報としてつけること。あらゆるケースを解析するのはコストが
かかるので、構造問題、流体問題特有のノウハウを元にしてリブのつけ方、データの
振り方をアドバイスする。などで、予測結果の精度をいかに高めるか?もしくは、値その
ものがそれほどシビアでなければ、結果に基づく定性的な結果解釈をいかに、設計者
に適切にアドバイス情報として提供するか?
こう考えれば、なにも外部のコンサルタントだけでなく、CAE業務担当者はあくまでその
サービスを提供するユーザーに対してコンサルタントの位置付けがあるわけで、解析
対象の製品に対する知識は設計者と同程度のものが社内であれば当然求められる
であろうし。その部分を社外の人間に期待することは困難であろうし。
まあ、やはりケースバイケースで、企業、担当者の考えによりやはり異なってあたりまえ
という気もします。
# No.4443 # 2003年1月10日 # ハッピー #
> ただ今、「どういう時に、どういう条件ならCAE業務を社外のコンサルタント
> 会社に出すのか?」という問題について考えています。「自社では手に負えない
> 難しい問題を解決できるなら」とか「自社でやるより外部委託の方が早くて、格
> 安なら」とかが思いつきます。私は自動車メーカのCAE部署にいますが、業界に
> よってニーズは色々だと思います。皆さんの意見をください。
by 小太郎さん
私自身、社内コンサル、社外コンサル両方やって来て、また社内CAE部署、
社外コンサルに仕事を依頼もしてきました経験から、峯田さん同様、とても一言では
言い尽くせません(^^;;)
社外に関していえば、仕事の質によって大きく単価が異なりますし受託ベンダーも多種多様。
Input=こちらの指示通りにメッシュを切って条件設定し、
Output=指示通りに整理するだけの場合は単価は安くて当然。
これが、
Input=設計上の問題を相談として持ちかけ、
Output=結果を分析し設計改良案を提示してもらう場合は高くて当然。
Input/Outputの具体性が低い=Fuzzyなほど高いかなぁ。
あと、問題そのものの難易度も勿論利いてきますよね。段々、相手の言い値になってくる(泣)
目が飛び出るほど高い、というのは単価が高い仕事を専門にする所に持ちかけられたのかな?
とにかく社内の場合と違って、ユーザーの問題背景に関する知識が少ないので、
安全側=高めの単価設定になるのは止むを得ないでしょうね。
アウトソーシング=社内人材育成コストを抑え、ピンポイントで使えるメリットを買うんでしょう。
>CAEを日々勤しんでいる身でなんなんですが、逆に言えば、CAEの業務って、
>それだけ付加価値が高いんでしょうね?
by shimonさん
おっしゃる通りと思います。加えて、
「CAE人材を抱えておくよりは外注する方が多少値は張ってもお得ですよ」と
いう側面もあるのかもネ。
# No.4446 # 2003年1月10日 # 小太郎 #
> > ただ今、「どういう時に、どういう条件ならCAE業務を社外のコンサルタント
> > 会社に出すのか?」という問題について考えています。「自社では手に負えない
> > 難しい問題を解決できるなら」とか「自社でやるより外部委託の方が早くて、格
> > 安なら」とかが思いつきます。私は自動車メーカのCAE部署にいますが、業界に
> > よってニーズは色々だと思います。皆さんの意見をください。
小太郎です。
Shimonさん、峯田さん、ハッピーさん、ご意見ありがとうございました。
ハッピーさんのおっしゃる、解析方法、条件etc.をこちらが指定した上での外部委託
(社内MP不足の補完的委託、アウトソーシング)なら価格さえ条件に合えばあまり
問題にならないと思います。
問題は、自社では手に負えないケース(これがCAEでできれば良いんだけどなぁ。
でもどうやったら良いか分からないテーマ)、ハッピーさんのおっしゃるFussyなケー
スですね。社内CAE技術者よりも現場から遠い社外コンサルに解析できるのか?
社外にあっても、現場に精通したコンサルをどう見つけるか? どんな成果が得ら
れるかは、Shimonさんのおっしゃるとおり、高額なコンサル料の割りにはやって
見なければわからない。等等。
# No.4471 # 2003年1月11日 # ハッピー #
> 問題は、自社では手に負えないケース(これがCAEでできれば良いんだけどなぁ。
> でもどうやったら良いか分からないテーマ)、ハッピーさんのおっしゃるFuzzyな
> ケースですね。社内CAE技術者よりも現場から遠い社外コンサルに解析できるのか?
>社外にあっても、現場に精通したコンサルをどう見つけるか?
by 小太郎さん
コンサルになる人は、企業内CAE部門から転職した人や、コンサル会社で
下積み?から経験を重ねた人、大学から独立した人など多様でしょうが
やはり、その経歴&経験が重要ですね。
営業さんと話をしただけで契約したら間違いなく痛い目に遭うでしょう。
じっくり担当コンサルとできれば上司と面談して根ほり葉ほり聞いて
信頼に足るかどうか判断しましょう。
どれだけ、懸案の問題分野に精通しているか、
何が自分(コンサル)に不足しているかを明確に認識し
それを補うアイデア&提案を用意しているか。
不安を感じたらパス!つぎ!
何せ、まともな答えが出なかった場合、費用ロスも勿論ですが
時間ロスの影響が甚大ですから。
仕様書を丁寧に作って、複数の会社に並行して打診することも常套テク。
A社との協議で浮かび上がった問題をB社に振って反応を見るとか。
あと、リスク回避のために段階的に契約して進めるのもよくやります。
ここまででいくら、これがうまくいったら次契約でここまで、という具合。
どうやって見つけるかは、CAE懇話会などで人脈を作って生きた情報を
集めるというのが、当たり前の答えになってしまいますね。
#私なんぞコンサル初心者の頃はビクビクでした。
仕事は勿論欲しいし、かといって背伸びして喋ってしまうと途端に冷や汗が...
峯田さんが仰ったように
>成果物の検収条件をあらかじめ決めておかないと大変なことになりますよね。
ユーザーだけでなくコンサル側も大変なことになっちゃうんです(笑)
労働集約型家内工業ですから、みんなで徹夜なんてこともレアじゃない?
(編集担当:burning 2003/11/24)