熱応力解析について
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<熱応力解析で必要な物性値は?>

# 2003年1月20日 # No.4591 # ちもん #
熱応力解析を行なうにあたって必要なデータとしてお客先様より
PP材の線膨張係数、ヤング率、ポアソン比の問い合わせをうけました、
当方はこういった解析をするわけではないのですが、熱応力解析ではどのように必要になるデータなのでしょうか?
材料メーカーがくれたカタログの数値だけみるとPP材の場合,無充填材もガラス入り(10、20%)も線膨張係数はそんなに違いはないようですが・・・
あと、等方性とか異方性というのは影響あるものなのでしょうか?
有識者の皆様、ご教授ください、宣しくお願いします。
(編集担当:Happy 2003/09/29)



<樹脂の反りの精度が上がらない。多彩な議論>

# 2002年9月30日 # No.3634 # ランティス #
はじめまして。早速ですが質問があります。
ANSYSを使って、熱硬化性樹脂と金属板の積層材について、175℃で貼り合わせて、常温に下がるときの熱変形(反り量)の解析を行っていますが、実測値と計算値が3割以上ずれてしまいます。
樹脂物性には温度依存性がありますので、各温度ステップごとに材料定数を変えて求めた反り量を最終的に足し合わす、という形で解析を行っています。
実測値とsim値が3割もずれるというのは何がまずいのでしょうか?
樹脂の物性値(横弾性係数、線膨張係数)は実測した値を使用していますし、金属も銅材なので一般的な値を使用していますので、物性値がずれているというのも考えにくいです。。
何かアドバイス等ありましたらお願いいたします。


# 2002年9月30日 # No.3636 # チャーリー #
#反り量を最終的に足し合わす、ってどういうことでしょうか?

初期状態→(加熱)→ 170°→ (冷却)→常温 の解析が必要そうに感じますです。
工程1での伸び、工程2での収縮の比が偉いことなるからではと考えてます。
他には、弾性率も変化しますし、化学反応の強度上昇もありそうですね。


# 2002年9月30日 # No.3637 # saito #
>> 樹脂物性には温度依存性がありますので、各温度ステップごとに材料定数を変えて
>> 求めた反り量を最終的に足し合わす、という形で解析を行っています。実測値と
>#反り量を最終的に足し合わす、ってどういうことでしょうか?

線形解析を、樹脂物性を変えて何パターンか行って、その反り量を足し合わせると理解しましたが、いかがでしょう?
ANSYSは物性値の温度依存性を考慮できるので
非線形解析にしたほうがよいのでは・・・

先の方法では、樹脂と銅が(モデル全体が)同じ割合で温度低下していくという前提が必要と思いますが、対象はそのようなものですか。


# 2002年9月30日 # No.3638 # チャーリー #
> 実測値と計算値が,3割以上ずれてしまいます。
(余談)3割程度でしたら、御の字と考えておりますが
実験結果のばらつきも結構多いとも推測してますが、、、(笑)


# 2002年10月1日 # No.3640 # かんきち #
> ANSYSを使って、熱硬化性樹脂と金属板の積層材について、175℃で貼り合わせて、
> 常温に下がるときの熱変形(反り量)の解析を行っていますが、実測値と計算値が
> 3割以上ずれてしまいます。

要素タイプや境界条件、初期温度が正しく与えられており、
さらに、
 ・実験値の方が反り量が小さい。
 ・冷却速度が大きいほど反りが大きくなる。(計算結果と近くなる)
 ・樹脂のガラス転移点温度が175℃より低い。

としますと、樹脂の応力緩和の影響が推測されると思います。
まずは文献等をあたってみては如何でしょうか?
積層はりの粘弾性解析の文献が機論などに何件か出ています。
個人的には粘弾性モデルで解くのが正攻法と思うんですが、
ANSYSで温度依存の線形粘弾性モデルは使えるのでしょうか?

甚だ不親切なレスですいません。



# 2002年10月1日 # No.3641 # ランティス #
皆さん、たくさんの返信ありがとうございます。一つ一つ返事してみたいと思います。

○チャーリーさん、saitoさん

>線形解析を、樹脂物性を変えて何パターンか行って、その反り量を足し合わせると理解
>しましたが、いかがでしょう?

その通りです。

>ANSYSは物性値の温度依存性を考慮できるので
>非線形解析にしたほうがよいのでは・・・

今回の場合ですと、175℃から25℃までの温度変化があり、その間での
物性値変化もあります。
ANSYSでは温度依存の物性値は最終温度での値のみが参照されます。
解析で175℃から25℃までの温度変化を与えると、25℃での物性値のみが使用されるため、途中の物性値変化は全く考慮されません。

175℃から25℃をいくつかのステップに分けて計算したこともありますが、意図するものとは異なりました。(詳細は忘れました、すみません)

そのため、温度ごと(10℃おき)に物性値を変えた解析を行い、それを足し合わせるということやり方に到達しました。
ANSYSのサポートにもいろいろ問い合わせて、自分が判断した最良の方法です。

>先の方法では、樹脂と銅が(モデル全体が)同じ割合で温度低下していくという前提が
>必要と思いますが、対象はそのようなものですか。

はい、温度は一様と見なせます。

>(余談)3割程度でしたら、御の字と考えておりますが
>実験結果のばらつきも結構多いとも推測してますが、、、(笑)

え!3割で御の字ですか!(^^; 私は5%ぐらいを目指したいのですが、無理ですかね?
実験結果のばらつきは1割程度です。

○かんきちさん

> ・実験値の方が反り量が小さい。
> ・冷却速度が大きいほど反りが大きくなる。(計算結果と近くなる)
> ・樹脂のガラス転移点温度が175℃より低い。

>としますと、樹脂の応力緩和の影響が推測されると思います。
>まずは文献等をあたってみては如何でしょうか?
>積層はりの粘弾性解析の文献が機論などに何件か出ています。
>個人的には粘弾性モデルで解くのが正攻法と思うんですが、
>ANSYSで温度依存の線形粘弾性モデルは使えるのでしょうか?

実測値よりsim値が小さくなります。
粘弾性を考慮するべきかと考えましたが、そうするとさらにsim値が
小さくなりますます実測値から遠くなりますよね。なので困っていたのです。
(ANSYSは粘弾性は考慮できます。私は使い方が分かりませんけど)

他になにか思い当たることはありませんでしょうか??
ほんとに「3割だと御の字」なのでしょうか。。



# 2002年10月1日 # No.3642 # チャーリー #
> 他になにか思い当たることはありませんでしょうか??
> ほんとに「3割だと御の字」なのでしょうか。。

175℃時の形状って本当に実測できますか?
私のところは、金属の場合でも諦めてます。(笑)

粘弾性もいいけど、温度PEAK時の形状が決めてのような気がします。


# 2002年10月2日 # No.3636 # saito #
>ANSYSでは温度依存の物性値は最終温度での値のみが参照されます。
>解析で175℃から25℃までの温度変化を与えると、25℃での物性値のみが
>使用されるため、途中の物性値変化は全く考慮されません。
これってそうなんですか?
自分の認識では,温度に依存した物性値で計算できたと思ったのですが・・・
マニュアル見ても,参照温度を6個ぐらい定義できるように書いてあるし。
温度低下をいくつかのステップに分けて計算すれば,各ステップ毎の温度で物性値を決めるんじゃあないでしょうか?



# 2002年10月2日 # No.3647 # ランティス #
>これってそうなんですか?
>自分の認識では,温度に依存した物性値で計算できたと思ったのですが・・・
>マニュアル見ても,参照温度を6個ぐらい定義できるように書いてあるし。
>温度低下をいくつかのステップに分けて計算すれば,
>各ステップ毎の温度で物性値を決めるんじゃあないでしょうか

例えば、線膨張係数、ヤング率を次のように入力して、0℃から100℃までの
変形・熱応力を解析したとします。

温度 線膨張 ヤング率
25  10e-6  2500
50  10e-6  2500
75  20e-6  1000
100  20e-6  1000

ここで0℃から100℃までの熱応力を1ステップで求めると
物性値は100℃での値のみが使われて途中の物性値変化は考慮されませんよね。
25℃ステップで解析すると各最終温度での物性値が使われて、ステップごとの結果が出てきます。 ここまでは認識があってると思います。
タイムステップを使ってランプ荷重(荷重を徐々に負荷する)を使って4ステップで解いたとしても、ランプ荷重の設定が温度荷重に対しては効かないため、0℃→100℃の結果が4つ出てきてしまい、結局途中の物性値の温度依存性は考慮されない結果が出てきてしまいます。

温度変化をいくつかのステップに分ける方法を私は知りませんので、バッチファイル内で、DOループでREFTとTUNIFを変化させてステップ毎に解くというやり方をしています。(最後に結果を足しあわせます)
saitoさん、ANSYSをお使いのようですが、温度変化をステップ毎に分けるいい方法はご存知ないでしょうか?



# 2002年10月2日 # No.3648 # ichinokubo #
> タイムステップを使ってランプ荷重(荷重を徐々に負荷する)を使って4ステップで
> 解いたとしても、ランプ荷重の設定が温度荷重に対しては効かないため、
> 0℃→100℃の結果が4つ出てきてしまい、結局途中の物性値の温度依存性は考慮
> されない結果が出てきてしまいます。
by ランティス さん

これはおかしいですね。
saitoさんも言われているように、”温度低下をいくつかのステップに分けて計算すれば,
各ステップ毎の温度で物性値を決め”て計算されますよ。
どこか設定がおかしいと思います。
もっと簡単にLSFILEを使ってLSSOLVEで解いてみてはいかがですか?



# 2002年10月2日 # No.3649 # ランティス #
○Ichinokubo さん

>もっと簡単にLSFILEを使ってLSSOLVEで解いてみてはいかがですか?

これは私がやっている
「バッチファイル内で、DOループでREFTとTUNIFを変化させてステップ毎に解くというやり方」と同じですよね。
バッチファイルでやるかLSFILEを使うかだけの違いだと思います。
バッチファイルを使っているのは、ステップごとの計算をしたあとの結果をLoadCaseファイルに書き出す作業と、結果を足しあわす作業を一度に処理するためです。
ちなみに計算の部分のバッチファイルを書き出すと次のようになっています。
*do,ii,1,15,1

tref,175-10*(ii-1)-5
tunif,175-10*(ii-1)+5
time,ii+1
solve

*enddo

これできちんと各温度ステップごとの物性値を使って計算できています。
私が問題としているのは、このやり方で実測値と合わないので、解析の考え方は合っているのか?
やり方は正しいのか?他にいい方法は無いのか?ということなのです。

Ichikuboさんがおっしゃっている「Referenceの温度を変えているとすると、そのたびにその温度を無応力状態にしていることになりますが、どう対応してますか?」というところが気になります。
私のやり方ではステップ毎に初期応力が0になるのですが、
前ステップの応力状態を引き継ぐ方法があるのでしょうか?

> タイムステップを使ってランプ荷重(荷重を徐々に負荷する)を使って4ステップで
> 解いたとしても、ランプ荷重の設定が温度荷重に対しては効かないため、
> 0℃→100℃の結果が4つ出てきてしまい、結局途中の物性値の温度依存性は考慮
> されない結果が出てきてしまいます。

これは、SolutionControlのTimeStepの機能を使っては同様の解析が出来ないと言いたかったのです。
saitoさんが「温度低下をいくつかのステップに分けて計算すれば,
各ステップ毎の温度で物性値を決めるんじゃあないでしょうか? 」といったのがSolutionControlの機能を使ってはどうか、と言っていると思ったものですから。



# 2002年10月2日 # No.3650 # saito #
>*do,ii,1,15,1

>tref,175-10*(ii-1)-5
>tunif,175-10*(ii-1)+5
>time,ii+1
>solve

>*enddo

このコマンド列で,TREF,175として解析したら,
最後のステップの結果はどうなるのでしょう。

TREF一定だと,物性の温度依存性が考慮されないから
上のような方法を取られていると考えればいいですか?


# 2002年10月2日 # No.3651 # ichinokubo #
>SolutionControlのTimeStepの機能を使っては同様の解析が出来ない
>と言いたかったのです。
by ランティス さん

できますよ。
ただ、ランティスさんのようにTUNIFを使うとできないと思います。
節点に温度負荷(BFとかで)を与えて解析すれば大丈夫ですよ。
(コマンドで書いてもらうほうがよく伝わりますね)

>私のやり方ではステップ毎に初期応力が0になるのですが、
>前ステップの応力状態を引き継ぐ方法があるのでしょうか?

初期応力のインポート機能を使えばいいんじゃないでしょうか。
形状変化分もUPCOORDを使えば何とかなるんじゃないかな。



# 2002年10月2日 # No.3653 # ランティス #
○saitoさん

>TREF一定だと,物性の温度依存性が考慮されないから
>上のような方法を取られていると考えればいいですか?

そうです。線膨張係数であればRef温度からの平均線膨張係数を入力しておけば考慮できるんですが、ヤング率の温度依存性は考慮されませんので。

○Ichinokuboさん

>できますよ。
>ただ、ランティスさんのようにTUNIFを使うとできないと思います。
>節点に温度負荷(BFとかで)を与えて解析すれば大丈夫ですよ。

なるほど、節点に温度負荷を与えると出来ました。
でもこれだと、例えば、0℃から100℃までを5ステップで解析した場合、
0℃→20℃+20℃→40℃+40℃→60℃+60℃→80℃+80℃→100℃ではなく
0℃→20℃、0℃→40℃、0℃→60℃、0℃→80℃、0℃→100℃になるようですね。
つまり最終ステップの0℃→100℃では100℃の物性値が参照されてしまい1ステップで解いたのと同じ結果になってしまいます。
途中の物性値変化は無視されてしまうようです。悲しい。。

>初期応力のインポート機能を使えばいいんじゃないでしょうか。
>形状変化分もUPCOORDを使えば何とかなるんじゃないかな。

形状変化の取り込みはUPGEOMコマンドですよね。応力のインポート方法をご存知でしたら教えていただけませんか?



# 2002年10月2日 # No.3654 # ichinokubo #
> 形状変化の取り込みはUPGEOMコマンドですよね。応力のインポート方法を
> ご存知でしたら教えていただけませんか?
by ランティス さん

最近この種の解析をしていないので、うろ覚えなところがありますが・・・

solveの前に
ISWRITE,ON
として、解析を実行します。
すると、jobname.istというファイルが自動的に作成されます。
これが初期応力のデータになっています。
後はこのファイルを
ISFILE,read,jobname,ist
で読み込んであげれば初期応力のインポートになる、はずです^^;)


# 2002年10月2日 # No.3655 # ランティス #
Ichinokubo さん
ばっちりインポートできました。ありがとうございます。
このコマンドをバッチファイルの中に組み込んで計算してみます。


# 2002年10月2日 # No.3656 # チャーリー #
>  ちょっと説明不足でしたが、実測できてるのは常温での反りのみです。
> 175℃で金型内で成型されるので、175℃でフラットのはずです。
> その後樹脂の硬化収縮と熱収縮が起きます。当然金属も収縮します。
> 高温時の反りを測定できる環境があって、高温で数ポイント測定できれば
> sim条件、物性値入力のヒントになると思っているんですけど。。

私の遠まわしな言い方がわるく、伝達しきれてないようです。すみません。
逆解析ってご存知ですか?


# 2002年10月2日 # No.3657 # ハッピー #
ANSYSの話題花盛りですね。
 他ソフトのユーザーの方から見ると、
>*do,ii,1,15,1
>tref,175-10*(ii-1)-5
>tunif,175-10*(ii-1)+5
>time,ii+1
>solve

>*enddo
などというプログラム言語が何故現れるの?と思われるかもしれませんが、
ANSYSは入力データの中でFortranチックのプログラムが書けるんですヨ。
時間増分のくり返しをdoループで表して、ステップiiごとに解析条件を変えたりif文で途中結果に応じて条件を変えるのも手のもの。
他ユーザーの方も、書き込みから中味を解読してみては?


# 2002年10月3日 # No.3661 # saito #
いろいろ意見出しましたが,
降伏などの弾塑性解析でないかぎり,温度依存性を定義しようと
最初と最後の状態でしか結果は出ないんじゃないかという
気になってきました。(だからこそ線形なのではないかと・・・)
だから3割の誤差とは,解析処理方法の問題でなく,
物性値が違っているとか,実測値に誤差を含んでいたとか。



# 2002年10月3日 # No.3662 # ランティス #

○saitoさん
>降伏などの弾塑性解析でないかぎり,温度依存性を定義しようと
>最初と最後の状態でしか結果は出ないんじゃないかという
>気になってきました。(だからこそ線形なのではないかと・・・)

つまり、実際の現象では途中の経路がどうであろうと、到達温度の物性値が同じであれば同じ結果になるのでは、ということでしょうか?

○チャーリーさん
>逆解析ってご存知ですか?

いえ、聞いたことありませんが。どういう解析でしょうか?


# 2002年10月3日 # No.3663 # saito #
>つまり、実際の現象では途中の経路がどうであろうと、到達温度の物性値が同じであれば
>同じ結果になるのでは、ということでしょうか?

いえ,実際の現象は途中の経路で結果が変わるかもしれませんが,
現在作られている解析モデルでは,途中の経路がどうであっても同じ
結果しか出ないのでは・・・と考えたのですが。


# 2002年10月3日 # No.3665 # チャーリー #
> >逆解析ってご存知ですか?
>どういう解析でしょうか?

いくら解析をやってもそり量は、最終的には接着剤の塗布量(体積)に依存しませんか?
そうでなければおかしいし、線膨張係数の体積比率で決定されるはず。
計算で行おうとすると、初期の高温状態が金属体に対して接着材料面積が大きいものでないとつじつまが合わなくなったり矛盾に陥ったりします。
層方向や、幅方向での異方性なんかもあるよって意見もあるはずなので樹脂材のしわ等の影響確認ということでしたら、saitoさん指摘の非線形が必要になるのでは?
と感じたのですが、

蛇足でした、逆解析。岩盤解析によく利用されているようです。


# 2002年10月4日 # No.3669 # かんきち #
> いえ,実際の現象は途中の経路で結果が変わるかもしれませんが,
> 現在作られている解析モデルでは,途中の経路がどうであっても同じ
> 結果しか出ないのでは・・・と考えたのですが。

おっしゃる通りだと思いますが、違うのでしょうか?
レスされた他の方々は、「違う」という認識なのでしょうか?

一般論ですが、樹脂成形で冷却経路が反りに与える影響は大きいと思います。
これは、冷却プロセスだけ変えて実験してみれば確認できます。
この影響が大きいならば、可塑性や粘弾性などを解析モデルに導入しないと、反り量を正しく計算することはできないと思います。
勿論、常に瞬間的に冷却するなら粘弾性の影響は無視できますが。
でも、これらの導入は反り量を小さくし、更に実験とずれてしまいますね。

現状の反り量の計算値が「不当に」小さいという可能性は無いでしょうか?
接着層など影響の他にも、たとえば、
 ・実際の硬化収縮が非常に大きい (線膨張に含めて考慮?)
 ・要素タイプが不適切。(ロッキングや砂時計の影響)
 ・厚さ方向の要素分割数が不十分。
 ・拘束条件をが不適切。(反りを妨害している)
 ・初期温度分布が実験のそれと大きく異なる。
などなどなど。


# 2002年10月4日 # No.3670 # ランティス #
みなさんからいろいろアドバイスいただきましたが、やはり樹脂を相手にする以上、粘弾性の考え方を入れないとダメなんでしょうね。
線形モデルで解こうとしている事自体が間違っているのかもしれません。

反りの計算値が実測より小さいのですが、よく考えると、樹脂の線膨張がTgを境に接着相手の金属より小さくなるので、冷却途中に一旦大きく反ったものがTgを過ぎると反りが戻るので、粘弾性を取り入れることで実測値に近づくのかもしれません。

とはいっても、粘弾性を理解できる知識も無いし、どこから手をつけていいのやら皆目見当がつきません。粘弾性解析関係の論文とかいくつか手に入れて読んでも「?」です。
どういう物性値が必要なのか、解析条件をどう設定するか、
といったところを解説してある書籍、文献は無いものでしょうか。
(ANSYS工学解析入門の弾塑性解析版みたいな。。)
(編集担当:Happy 2002/11/16)



<熱応力解析における熱荷重を見積もる方法?>

# 2000年5月25日 # 解析素人 #
温度荷重を与えて解析する際、後々の評価が困難になるため静荷重におきかえて、解析する際の換算式教えて下さい。
材質:SS400


# 2000年5月26日 # ハッピー #
え~っと、あれ?確か前に書き込んだはずなのに...また保存期限切れで消えちゃったようです。
換算式といえるカンタン便利なものは存在しません。
各要素単位で熱歪みに対する等価節点力を求め、それを節点荷重として与える。よって全ての節点に
対して荷重を加える事になります。等価節点力は、
f=∫[B]t[D]αΔTdv
ここで、[B]tは変位歪みマトリックスの転置
    [D]が応力歪みマトリックス
     αが線膨張係数、ΔTは温度差です
簡単な例でも書かないと分かり難いでしょうね。スミマセン。
(編集担当:Happy 2001/12/22)



<弾塑性熱応力を線形解析で予測できる?>

# 2000年4月20日 # H.H #
疑問に思ったので質問します。
今、問題になっているのは、塑性領域の歪みでも熱応力解析の歪みであれば、非線形プログラムを使用しなくとも、線形解析プログラムで歪みの絶対値を評価できるのではないかということです。

先ず、通常の構造解析(荷重を掛けて、応力を算出する解析)では、F=Kx(簡略化のため、マトリクス表示は省略します)に荷重を入力し、Kの逆行列を掛けて、x(変位)を求めていると思います。
xからε(歪み)を求め、εからσ(応力)を求めていると本に書いて有りました。F=Kxの式を使用している時点で、材料は線形と仮定しているため、出力された歪みが塑性領域の場合、その絶対値をそのまま、
評価はできないと思います。

ところが、熱応力解析の場合、まず、熱伝導解析で求めた温度分布(Δt)と線膨張係数(α)及び拘束条件から、変位(x)を求め、(F=Kxの式:つりあり方程式を使わずに)変位-歪み関係の式から歪みを求めているのでしょうか?
もし、そうだとすると、塑性領域の歪みでも線形解析プログラムで評価できることになりませんか?

*解析結果の評価に応力を使用する場合、応力算出時に、σ=Eε式を使用しているので、通常の構造解析、熱応力解析に関わらず、その絶対値を評価することはできませんよね。
 そのため、結果を歪みで評価しようとしているのですが・・・

初歩的な質問で申し訳ありませんが、ご存知の方がいらっしゃいましたらご教示のほど、宜しくお願いいたします。


# 2000年4月21日 # よし☆彡 #
単純な棒だったら、その通りです。
でも、実際の構造では履歴や、錬成が問題となることが多いので非線型でやるのだと思いますよ。
でも線形で出来るものは線形でってのか基本です。(笑)

それから、F=Kxですがkのところが実際は変わって行きます。
だから非線型なのですね! kを求めることすなわち非線型解を得ると言うことです。変える方法は色々な提案がありkをどのように変えて行くのか、どの時点でkを変えるのか(降伏曲面では無い)などが提案されてます。
でも本当のところこの辺がわかる人はかなりレヴェルの高い人なので、解析者も知らないのが普通です。


# 2000年4月21日 # ハッピー #
>まず、熱伝導解析で求めた温度分布(Δt)と線膨張係数(α)及び
>拘束条件から、変位(x)を求め、(F=Kxの式:つりあり方程式を使
>わずに)変位-歪み関係の式から歪みを求めているのでしょうか?
byHHさん
違います。熱歪みに仮想仕事が等価な節点力を求め、これを荷重Fとして
与えます。等価節点力は、f=∫BDεdvです。
(B:変位歪みマトリックス、D:応力歪みマトリックス、ε:熱歪み)

両端を固定された棒が加熱された場合を考えて見てください。固定されているから伸びません。つまり変位=0です。でも圧縮応力が生じますよね。


# 2000年4月21日 # ハッピー #
>でも、実際の構造では履歴や、錬成が問題となることが
>多いので非線型でやるのだと思いますよ。
byよし☆彡さん

溶接部の残留応力を求める事があります。熱歪みで圧縮降伏し、除荷後に引っ張りの残留応力が生じて、割れが生じたりするんですね。圧力容器の締め付けボルトが熱伸びによって、フランジとの伸び差によって、面圧が低下(ボルトの線膨張係数が大の場合)したり、逆にボルト座面が降伏したり(ボルトの方が伸び小の場合)。
熱応力というのは、とにかく厄介です。剛性を高めると、変形が拘束されてかえって応力が高くなったりして、最適形状を求めるときにいつも悩まされます。
(編集担当:Happy 2001/12/22)



<物性値の温度依存性を考慮した非定常熱伝導・熱応力解析>

# 1999年12月5日 # IA #
非定常、非線形解析を実行したいのですが、材料物性として、

ヤング率(温度依存、塑性領域まで測定予定)
ポアソン比
熱伝導率
線膨張係数
比熱
密度

以上のデータを測定する予定です。
特殊な材料であるため、伝熱工学やJISなどにも温度依存の物性値などは、掲載されていません。
これらのデータのうち、一般的に温度依存のデータとして取り扱うのは、どのデータになるのでしょうか?

また、非定常、非線形解析でAbaqusで解析する場合、40000要素(GAP要素が1000、RIGID要素が1000個)、40000節点のFEMモデルで、解析時間は、どのくらいかかるのでしょうか?
解析時間をTOTAL(非定常熱伝導、非線形構造解析)で20時間程度に押さえなければいけないのですが、要素数、節点数を何個くらいにすれば、20時間程度でおさまるのでしょうか?


# 1999年12月6日 # よし☆彡 #
一般的温度依存として扱うのは、
1.熱伝導率
2.線膨張係数
3.比熱
だと思います。

40000要素定常で数十分でしょうから、
たぶん片連成でかつ、クーラントの条件でしたっけ!に注意すれば良いと思います。
構造要素の方が時間が掛かるのではないでしょうか!
減らせる要素があるのなら、はなるべく先に減らしておくべきでしょう。
ABAなら接線線膨張係数、平均膨張係数に注意です!


# 1999年12月7日 # IA #
>たぶん片連成でかつ、クーラントの条件でしたっけ
 片連成?なんの本を見れば、この言葉を理解できる でしょうか?
>ABAなら接線線膨張係数、平均膨張係数に注意です!
 ABA?・・・・
できれば、これらの言葉のご説明を頂けると、ありがたいのですが。
宜しくお願いします。


# 1999年12月7日 # よし☆彡 #
1.温度の変化(温度場)が形状の変化(応力場)に対して影響しない場合、  温度場を先に計算して、その温度を荷重条件として応力を計算します。
  このことを片方向連成計算と言います。また同時に解くことを完全連成
  計算と言います。
  連成とは、異なる場の問題を関連させながら解く時に使う一般用語です。
         (場:応力、熱、電気、磁場、拡散など)

4.非定常(時間に依存させるとき)は時間増分を密度*比熱/(6*伝導
  率)*要素長^2以上にしなければなりません。

2.ABA=ABAQUSです。(勝手に省略しました。)

3.ある温度に対しての線膨張係数であるか、またはその温度の瞬間の膨張
  係数であるかに注意された方が良いですよ! 
  そんなこと知ってるって言われそうだけど(笑)
(編集担当:Happy 2001/12/22)



<熱応力解析を手計算でチェックするには?>

# 1999年11月5日 # 解析君 #
NastRanを用いて、荷重条件を温度荷重として与え、熱応力解析を行った結果
そのNastRanがきちんとした値を出力しているか手計算で確認するには、どの
ように検算をおこなえばいいでしょうか?
線膨張係数を扱うのは、しっています。
素人的な質問で申し訳ありませんがよろしくお願い致します。


# 1999年11月11日 # ハッピー #
これは、NASTRANの機能チェックという意味でしょうか?
それとも具体的な問題を解いた際の結果のチェックという意味でしょうか?
機能チェックであれば、無拘束の状態で変形させてその伸び量を調べるとか、
逆に完全拘束した状態で熱荷重を与えて反力、軸方向応力を見ると良いでしょうね。
一方で、具体的な構造物の場合、
①拘束点が多いか少ないか
②温度分布が一様かどうか
③異なる材質が組み合わされているかどうか
などでチェックの仕方は異なるでしょうが、一般的には定量的なチェックはアバウトなもので精度の高い検算は難しいのではないでしょうか?
例えば、板の中央がスポット的に加熱されている場合、加熱部は膨張しようとしますが周囲で拘束されているので圧縮応力になりますね。このような場合に、
①まず加熱・膨張領域を仮定、
②この部分の剛性Kを算定、
③一様に加熱されているとして伸び量δを見積もる、
④周囲が固定されていると仮定すると、反力はR=K×δで、これを断面積で除すと応力が超概算できます。
⑤この「周囲が固定」が条件として厳しすぎる場合は、周囲の支持ばねを概算し、
⑥直列ばねの釣り合いから加熱部の変形を見積もることも考えるべきでしょう。
もっとも、実際の構造ではこのような、一発評価は難しく、次のような3段論法くらいは必要でしょうか。
FEMの基本は、剛性と拘束と荷重ですね。
さらに剛性は形状とヤング率で決まり、荷重は温度と線膨張係数、形状で決まります。チェックには、このそれぞれを潰していく必要があります。
①剛性に関しては、熱荷重でなく圧力や集中荷重などの機械荷重を与えて変形、応力を推定できるところでチェックすればOK
②温度に関してはコンター図を見ればOKでしょう。温度分布がある場合は、温度の目安として、私は体積平均温度を求めています。
③線膨張係数αが正しく入力されているかどうかを見るためには、剛体運動を抑える拘束のみにした上で一様温度荷重を加え、その時の変形量(自由膨張量)が温度ΔT×線膨張係数α×寸法LとなっているかチェックすればOK
④拘束は変形モードを見ればOK。
⑤あと、板状の物の熱変形の場合、板厚方向の分割数が十分かどうかも要確認です。
以上で、全体をほぼ網羅できるかな。
#あと、熱応力は自己平衡力なので各方向反力の総和はゼロになるはずです。
念のためにチェックを


# 1999年11月11日 # 解析君 #
>具体的な問題を解いた際の結果のチェックという意味でしょうか?
そうです。NastRanが出力した結果が果たして本当に正しいのかチェックしたいのです。
例えば、ある板(サーフェイス:薄板で複数のサーフェイスで構成され帯状)の右端(外枠)を拘束し、サーフェイスごとにX度とY度の2種類の温度荷重をそれぞれ定義します。
X度とY度は、重複して定義しません。
これが、各々のサーフェイスに対して温度を定義してやるのですが、「要素温度」と「温度」で定義するのでは、答えが全く異なるので果たして、どちらが正しいのか手計算で確認してやりたいのです。

そこで、以下の方法を使用するといいのでしょうか?(外してますでしょうか?)
>③線膨張係数αが正しく入力されているかどうかを見るためには、
>剛体運動を抑える拘束のみにした上で一様温度荷重を加え、その時の
>変形量(自由膨張量)
>が温度ΔT×線膨張係数α×寸法LとなっているかチェックすればOK
お願い致します。


# 1999年11月12日 # ハッピー #
>例えば、ある板(サーフェイス:薄板で複数のサーフェイスで構成され
>帯状)の右端(外枠)を拘束し、サーフェイスごとにX度とY度の2種類の
>温度荷重をそれぞれ定義します。
>「要素温度」と「温度」で定義するのでは、答えが全く異なるので
by解析君さん

もう一つ問題が把握できないのですが。市松模様のようなものですか?
それともトランプを一列に並べたようなイメージですか?

「要素温度」と「節点温度」ですが、これはどちらが正しいというものでなく、どちらが、解析君さんの目的とする温度分布に合致しているかという問題だと思います。
FEMでは、熱応力解析を行う場合、熱歪みを等価節点力に換算するわけですがこの計算は要素内の積分点で行います。つまり、「積分点での温度」がポイントです。
「要素温度」の場合、要素AにX度と与えると要素内の全ての積分点がX度とみなされます。つまり、先ほどのトランプ列で考えると、温度分布は階段状です。
一方、「節点温度」で与えると、要素Aの各積分点での温度は要素を構成する節点での温度から形状関数を使って内挿で決められます。節点温度が異なっていれば当然、積分点の温度も分布を持ちます。
言うまでもありませんが、全体を一様温度とする場合は節点温度と要素温度で結果に差はないはずです。

一方、トランプ列の一端から他端へ滑らかな勾配の温度分布を与えるのでしたら節点温度が適当だと思います。

メッシュ分割が細かいとその差は小さいと思いますが、メッシュが粗いと、結果が大きく異なるのは有り得る事だと思います。
#特に板幅方向の応力に影響が大きく出るんじゃないですか?

#手計算でのチェックは、まず片方の拘束を外して自由膨張させて見られたら良いと思います。
伸びは∫αT(x)dxで見積もれると思います。
(編集担当:Happy 2001/12/22)



<熱伝導解析と熱応力解析が一体化されたソフトの弊害?>

# 1999年10月26日 # しょう #
私の扱っているソフトは温度変化を与える時、単純に差温度を与えれば良いとなっています。
例えば、30℃から150℃に暖める時は120℃に設定します。
おかしくないですか?実際は150℃の温度と120℃では物質に与える影響が違いすぎると思うのですが?
そして、30℃から150℃に暖め30℃に戻した時は何度に設定すればいいの?
この疑問。誰か教えて下さい。


# 1999年10月26日 # よし☆彡 #
そのソフトは定常熱伝導の解析ソフトで、ものすごく時間がたって安定した状態を解いているのです。
だから、30℃から150℃に暖め30℃に戻すと、0℃で良いのです。
もしも、その過程が知りたければ非定常解析として、時間、比熱を考慮して計算できるソフトがいると思います。


# 1999年10月26日 # しょう #
その通り定常熱伝導の解析ソフトです。
解説は、「30℃から150℃に暖めて物体は膨張するけど、30℃に戻すと元に戻るよ。」
と言う事で良いのでしょうか?


# 1999年10月27日 # ハッピー #
>温度変化を与える時、単純に差温度を与えれば良い
それって、熱変形・応力解析じゃないですか?

熱変形を求める場合は、応力ゼロ時の温度(初期温度ともいう)からの温度変化量がが分かればいいので、「差温度」となります。ご承知のように、熱変形は、
膨張量=熱膨張係数×温度変化量×長さ
で決まりますから、初期温度が何度であれ、「何度変化したか」が分かれば良いのです。
勿論、厳密には熱膨張係数は温度依存性がありますので、温度変化が大きい場合には絶対的な温度レベルも考慮しないといけませんが。

初歩的な話のおさらいコーナーです。物体の熱変形・熱応力を求めるには、
①まず応力ゼロの初期温度分布と、昇温時の温度分布を知る必要があります。
よくあるケースでは、初期温度分布は常温(20℃)の一様分布。
昇温時の温度分布は、「えいやっ」と与える場合もありますが、多くの場合は熱伝導解析FEMでメッシュの節点における温度を求めます。
この時、よし☆彡さんが書かれたような非定常解析を行う場合は、初期の温度分布(これは上記の応力ゼロ温度とは必ずしも一致しません)がスタートラインとして必要ですが、定常熱伝導解析では不要です。どんな状態からスタートしても落ち着く先=定常状態は同じです。  
②次いで、①で得られた昇温時の温度分布と初期温度(応力ゼロ)を応力解析FEMに入力すると、プログラムが各節点で温度変化量(差温度)を求め、各要素の熱歪み→全体変形を求めます。(直接、各節点の差温度を入力出来るプログラムもあります。)

思うに、しょうさんが使ってらっしゃるソフトは、熱伝導解析と熱応力解析が少なくともユーザーからの見た目には一体になっていて、入力データも一緒に与えるんじゃないですか?そんな気がします。
それと、しょうさんの解析目的に照らし合わせてホントに定常解析で良いのかどうかも確認された方が良いかも。昇温/降温速度が速い場合は、昇温/降温過程で内部に大きな温度分布が生じて熱変形・応力の発生原因となることが多いですヨ。


# 1999年10月27日 # しょう #
>少なくともユーザーからの見た目には一体になっていて、入力データも一緒>に与えるんじゃないですか?そんな気がします
操作メニューに沿って値や設定をしていくんですが、その通り一体になっていて混乱してしまいます。


# 1999年10月28日 # ハッピー #
よくあるんですね。いろんなものを一体にして、ブラックボックス化してしまうソフトが。
ソフトを作っている方は、「解析の専門知識が不要です!各ソフトの垣根を意識せずに使えます!」
と、良かれと思っているんでしょうが、やっぱり分けるべきところは分けた方が正しく使う上では大切じゃないかと。
#一度、サポートエンジニアに、しょうさんが行いたいことを相談して、
・熱伝導解析で行うこと&対応する入出力データ
  (ソフト内部で受け渡されるものも含め)
・熱応力解析で行うこと&対応する入出力データ(”)
の説明を受けられたらいかがでしょう?


# 1999年10月30日 # セロ弾きの豪州 #
ソフトを作っている方は、「解析の専門知識が不要です!各ソフトの垣根を意識せずに使えます!」
と、良かれと思っているんでしょうが、やっぱり分けるべきところは分けた方が正しく使う上では大切じゃないかと。

設計者からの要望としてなるべく解析データとタッチせずにすむものを、というのもあるんですわ・・・確かにこの辺の対処の仕方は難しいなあ・・・


# 1999年10月30日 # ハッピー #
ですよね。単に定常熱伝導解析をするだけなのに、「密度や比熱のデータが入力しないと!」と、一所懸命データを探す人も居たりして。「ユーザーが解析対象とする物理現象をしっかり把握しさえすれば誤った使い方はしないはず」と決め付けてしまえばそれまでかもしれませんが、なかなか難しい。それと、CAEの未熟さを知る者からすれば、ユーザーを解析データから遠ざけるために必要となる「バカチョン化=モデル化に必要な工学的判断をプログラムに実装」にどこまで責任を持てるか?という問題もありますね。
(編集担当:Happy 2001/12/22)



<梁要素での熱応力解析>

# 1999年7月23日 # 風来坊 #
ABCさんの書き込みに「梁が熱伝導に使えたら」とありますネ。
餅の問題から察するに、おそらく棒材が熱で反り返るようなことを考えておられるのでしょう。この場合、2つの問題があります。

1.まず、熱伝導梁要素は「伝熱リンク要素」と呼ばれるように、軸方向の伝熱しか考えない。断面内の温度分布を求めることはできず、当然上面下面に異なる熱伝達境界条件を設定することも出来ません。
Marcでは確か、いわゆる対流熱伝達条件は2節点の内の1点にしか設定できなかったと思います。一点で、伝熱Areaを定義し、Q=Area×α×(Tsink-T)で得られる熱量を与えるわけです。残る一点にもQを与えるにはもう一組のデータを加える必要があります。(当然Areaは1/2ずつ)ただMarcには物体内部で一様に熱伝達が生じるとする、体積熱伝達という考え方があり、
Q=∫αvolume×(Tsink-T)dvで
αvolume←αfilm×Area(表面面積)/Volume
として与えれば、梁表面での熱伝達と等価になり、データは1組でOKです。
一方、Abaqusは要素全体でAreaを定義し、2節点それぞれにQ1,Q2が与えられます。ただしMarcのような体積熱伝達という考え方はありません。
いずれにしても、断面で温度分布がつかない!!

2.仮に断面での温度分布が得られたとしても、応力解析の梁要素がこれを受け付けなければ意味が無い。つまり、伸び差によるモーメントを計算し節点力として与える機能が必要です。Abaqusでは、梁要素の断面に積分点(断面諸量を積分する)があり、これに異なる温度を与えることができます。
(その温度分布をどうやって求めるの?と言いたくなりますが)
一方、Marcを始め多くのソフトにはこんな機能はないと思います。

よって反らせることを考えなければ梁は熱&熱応力解析に使えると思います。
(編集担当:Happy 2001/12/22)





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