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<騒音解析に関して教えてください>
No.3969 # 2002年11月11日 # 16時51分(月曜日) # 応答 #
エンジン関係の仕事をしておりますが、シリンダーブロックの騒音評価はできませんかと上司に言われました。
騒音解析のソフトを買うつもりがないが、普通の振動解析ツールでは、参考できる情報を出せませんか。
表面の速度で評価するみたいな手法があるそうで、ご存知の方に教えていただけませんか。
宜しくお願い致します。
No.3971 # 2002年11月11日 # 22時24分(月曜日) # チャーリー #
こんにちは、素人ですが、趣味レーションで勘違いレスしてます。(笑)
> エンジン関係の仕事をしておりますが、シリンダーブロックの騒音評価はできませんか
> 騒音解析のソフトを買うつもりがないが、普通の振動解析ツールでは、
> 参考できる情報を出せませんか。
> 表面の速度で評価するみたいな手法があるそうで、
機械騒音と燃焼騒音に対して励振振動放射音と吸排気並び流体と分けられるかと
思いますが、振動放射音でしたら、
構造減衰(SA)=シリンダ圧力レベル(CPL)-エンジン騒音レベル(SPL)
という形で評価されると考えてます。
伝達関数系としてエンジン構造体の周波数応答関数(SRF)=SPL/CPL
といったことより、一般的な振動解析がベースになっていると容易に予想されます。
ここでの周波数は、エンジン回転あたりに連動するはず
複雑なメカ制動を解くと、低周波域のシリンダの圧力、高周波域での
メカの慣性力あたりが支配的になると考えていますが、
シリンダブロックの振動モードから
1/3オクターブ中心周波数-シリンダ加速度の振動解析などは
カタログや文献にのっていたような記憶があります。
No.3984 # 2002年11月12日 # 17時17分(火曜日) # おたっきー? #
> エンジン関係の仕事をしておりますが、シリンダーブロックの騒音評価はできませんかと上司に言われました。
> 騒音解析のソフトを買うつもりがないが、普通の振動解析ツールでは、参考できる情報を出せませんか。
> 表面の速度で評価するみたいな手法があるそうで、ご存知の方に教えていただけませんか。
> 宜しくお願い致します。
ブロックからの放射音解析には、表面の速度分布のデータが必要になると思います。
これをオクターブバンドか1/3オクターブバンドごとに積分速度レベルなんかで
比較すればどの成分が影響するかある程度相対比較データは出るでしょう。
しかし、現実にはこの速度分布を求めるのが大変です。通常の振動解析できちんと
もめられればいいのですが、エンジンの場合は普通に有限要素ソルバーなどで
モーダル応答や直接過渡応答をやるにしても、どういう加振力を入力したらいいか
(この場合はブロック側に対してですが・・・)を求めるのが難しく、簡単には
いきません。普通に筒内圧だけブロックに入れてもまず合わないでしょう。
絶対的なレベルを考えず、複数代替案の相対比較だけ行うなら、筒内圧や軸受荷重
などのかかる部分をある程度仮定して、表面との間の伝達関数を求めて比較すると
いったことも考えられますが、ではライナー部分と軸受部分のどちらがどれだけ
表面振動に寄与しているかを見当つけることは、この方法では難しいと思います。
エンジンの振動への加振力の一次的な原因は筒内圧ですが、筒内圧がピストン、
コンロッド、 クランクシャフトを通してメインベアリングからブロックへ荷重が
伝達していきます。
このとき、各ベアリングは滑り軸受が使われていることが多く、これらは変位依存の
非線形性を強く持った剛性、減衰の特性をもっており、結果的にこの軸受モデル
(一般的にはレイノルズの方程式やその簡易モデル)を含んだクランク回転角度に
対する時間軸での荷重の変化を正しく捕らえる時間軸での解析を行って、ブロック側に
加わる荷重を算出する必要があります。
さらに、この軸受モデルの特性には、流体部分だけでなく構造体の部分の変形も
かかわる弾性流体潤滑モデルを適用するのがもっともリアルです。また、軸受部分に
かかる荷重も、構造側の捻り曲げといった複雑な挙動を考慮していないといけません。
こうなるとクランクシャフト、ブロックなどの構造体全てをFEMでモデリングして
時間軸で非線形性の結合要素を考慮した弾性体を含んだ機構解析の計算をするという
ことになります。(この辺は人によって主義主張があるところでしょうが・・・まあ、
最もメジャーな方法と思います。)
また、主軸受だけでなく、ピストンの2次運動によるライナーとの間のスラップや、
バルブシステム、チェーン或いはギヤトレーンといった部分の部品同士の相互作用
による力が加振力として働き、高周波成分で影響を及ぼしていることも明白ですので、
現実にはこれらを考慮に入れた解析がもっともいいはずです。
(やるのはちょっと大変でしょうねえ・・・)
最近、巷の論文を読むと上記の放射音に影響する部分以外にもエンジンマウントの
周波数依存特性を正確にモデリングして車体への固体伝播の影響を再現しようと
しているようです。
過去、自動車メーカなんかでは必至でこういった複雑な現象を内製ツールで解析
しようと努力をしていたようで、自動車技術会なんかの論文でもいくつかは推測
することが出来ます。
最近では汎用(といってもそのうちいくつかはエンジンにしか使えなさそうなので
専用なのか?)のツールも出ていますので、さがして見られてはいかがでしょう。
No.3987 # 2002年11月13日 # 00時24分(水曜日) # チャーリー #
>ブロックからの放射音解析には、表面の速度分布のデータが必要になると思います。
>これをオクターブバンドか1/3オクターブバンドごとに積分速度レベルなんかで
>比較すればどの成分が影響するかある程度相対比較データは出るでしょう。
>しかし、現実にはこの速度分布を求めるのが大変です。
>....
>こうなるとクランクシャフト、ブロックなどの構造体全てをFEMでモデリングして
>時間軸で非線形性の結合要素を考慮した弾性体を含んだ機構解析の計算をすると
>いうことになります。(この辺は人によって主義主張があるところでしょうが
>・・・まあ、最もメジャーな方法と思います。)
by おたっきー?さん
プロの方のK/Hの断片をとっても感心してよまさせてもらいました。
どうしても粘性を考慮したモデルというのが、これからの課題とニーズ
と推測しました。
質点での簡略モデル化は必須と考えているのですが
最近動解析もえらい続いていることと
国内経済牽引の自動車具体的技術、私はこういう話題は、好きなので
これからも是非とも投稿指導お願いします。(笑)
No.3991 # 2002年11月13日 # 13時30分(水曜日) # おたっきー? #
> どうしても粘性を考慮したモデルというのが、これからの課題とニーズ
> と推測しました。
絶対ということではないと思います。下の話題とダブりますが、目的によると考
えています。(私個人は無理に問題を複雑化するのは、好きではないので・・・)
しかし、徐々にこういった問題も取り上げられるでしょう。
トライボロジーのダイナミクスへの応用ということになるんでしょうか?
> 質点での簡略モデル化は必須と考えているのですが
月並みですが、「目的による。」ということでしょう。
製品とその動作条件によっては、多数のパラメータを持ったモデルで解析すると
目的の解を得るまでにリソースや時間といった現実の壁を超える問題はその時
代のニーズに応じて常にある程度存在するということと理解しています。
先のエンジンの解析でも、振動だけを目的とするなら、コンロッドやピストンは
もちろん、クランクシャフトも簡単なビームや集中質量要素で近似してもいいと
思います。
しかし、クランクシャフトは下手すると折れるので、応力もみたいとなると、
現在の技術では、時間のかかるのを覚悟でソリッドで作ったFEMを使うしかあり
ません。
いずれは、われわれ技術者が「そんなのどっちでやってもおなじでしょ。」と気
軽にいえるリストラされそうな、おっと、仕事の対象とする技術領域が他に移る
時代もやってくるでしょうが、幸いにしてしばらくはハード、ソフトの技術もそ
こまで行かないし、ニーズもありそうなので、無い知恵を絞って問題を解決する
という仕事にありつけそうです。
> 国内経済牽引の自動車具体的技術、私はこういう話題は、好きなので
> これからも是非とも投稿指導お願いします。(笑)
人を指導できるほど偉くはありませんし、なりたくないのですが、自分の興味の
ある領域が好きなのは皆さんと同じと思います。
思うに自分の好きな分野でうつつを抜かす・・いや、仕事が出来るのは、幸せな
のかもしれません。
差し障りが無いと判断できる範囲で情報を提供させていただきます。
No.4025 # 2002年11月21日 # 14時27分(木曜日) # 応答 #
おたっきー?さん&チャーリーさん
いろいろと教えて頂き、心から感謝しております。
なんとなくわかったような気がしますが、参考書または論文を御推薦になれませんか。
宜しくお願い致します。
(後略)
No.4031 # 2002年11月21日 # 22時21分(木曜日) # チャーリー #
(前略)
>No.4025 騒音解析に関して
by応答さん。
エンジン関連を実際に開発されてるプロの方に失礼と思いましたが
自動車技術工業会などは、春夏と大会が開かれてまして
大会資料や、毎月刊行されている雑誌に載っていそうな気がします。
他には、機械工学便覧など見ると環境の項目で
エンジン制動、燃焼と音の解き方なんか載っていると思います。
なんといっても、内燃機関は振り返ると世紀の大発明ですが、
こんなところしかわかりませんので、おたっきー?さんにトスします。(笑)
(後略)
No.4041 # 2002年11月22日 # 16時43分(金曜日) # おたっきー? #
> おたっきー?さん&チャーリーさん
> いろいろと教えて頂き、心から感謝しております。
> なんとなくわかったような気がしますが、参考書または論文を御推薦になれませんか。
> 宜しくお願い致します。
いずれも、既に発表されているものですが・・・
最初に、「エンジンテクノロジー」という雑誌の Vol.4 No.2 2002の
「パワープラントの振動騒音のシミュレーション技術」
あたりを一読いただくと、総括的な内容がわかると思います。
論文としては
「エンジン放射音に関わるシリンダブロック振動の入力・応答計算法」
自動車技術会 学術講演会前刷集 No.65-99 1999
あたりでしょうか
これは同じグループ?の方が継続的にSAEなどにも発表されています。
目的は少しずれますが、
「実働時クランクシャフト応力予測手法の開発」
自動車技術会 学術講演会前刷集 974 1997-10
も、似たような技術を使っていますね。
他にも、
「Prediction Technique for Vibration of Power-Plant with Elastic Crankshaft System」
SAE Paper?だったか前刷りか 2001-01-1420 と番号があります。
多分、ペアで以下も読んだ方がいいかもしれません。
「実働時におけるクランク軸の振動とひずみ分布の予測」
自動車技術会論文集 20014166
(ただ、これは先に掲示板で紹介した手法とちょっと主義の違うところもあるようです。)
読んだことはありませんが、上の雑誌記事で参考になっている
「主軸受部の潤滑を考慮したクランク・ブロック連成解析」
第11回 内燃機関シンポジウム pp.369 1993
も参考になると思います。
また、汎用?専用?ツールは以下の4つが出ているようです。他にもあるかもしれません。
http://www.avl.com/
http://www.ricardo.com/
http://www.lmsintl.com/
http://www.adams.com/
(編集担当:いなちゅう 2002/12/25)