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部材が変形することで、厳密に見れば剛性が変わり、荷重が変わる。 ゴムなどの大きな変形を伴うものでは、弾性体であってもこれらを考慮した非線形解析が必要となる。 「構造解析>FEMの基礎>微小変位」も参照のこと |
<大変形弾塑性解析で、加工硬化化数を誤ると収束しない!>
# 2002年8月10日 # No.3464 # teru #
収束するために必要なステップの増分量が各ステップでの最小増分量より小さくなってしまい、計算が最後まで終わってくれず困っています。
で、レファを見て各ステップでの最小増分量を一番小さな値である(1×10^-19)に設定して計算させたのですがこれでもだめでした。
ここで質問なんですが各ステップでの最小増分量を一番小さな値を設定してうまくまわらなかった場合、解析は無理なんでしょうか?
なんとか計算させたいのですが。
どなたかご存知の方がいらっしゃいましたらどうかヒントか何かご教授いただけないでしょうか
宜しくお願いします。
長文ですみません。
# 2002年8月10日 # No.3465 # よし☆彡 #
そのまま下げても,1×10^-19のように不必要に下げてる場合は時間ばかりロスし無理だと思います.
その場合は何が原因で増分が下がったか, その原因を調べ,対策します.
しかし,その対策手法が統一されてるわけでないので,実はノウハウということになると思います.
とりあえずモデルがどうであるかは必要ないので, 計算がどのような原因(残差力が規定以下でカットバックしたなど)とその場所を調べてみて下さい.
# 2002年8月10日 # No.3466 # teru #
> そのまま下げても,1×10^-19のように
> 不必要に下げてる場合は時間ばかりロスし
> 無理だと思います.
そうなんですよね。1×10^-19という極端にさげる方法はやたら時間がたってしまいます。
こういったことは知っていたのですが自分の今の知識ではこうするしか方法がなかったんですよね。
> その場合は何が原因で増分が下がったか,
> その原因を調べ,対策します.
途中までの解析結果の変位対時間曲線を調べてみましたら計算終了直前あたりから変位(荷重ステップ)が塑性領域にはいります。
つまり塑性領域にちょっと入ってからエラーが出るんですよね~。
もしかしたらこれが原因じゃないかなと思っているのですが。。
> しかし,その対策手法が統一されてるわけでない
> ので,実はノウハウということになると思います.
やっぱりこういった事はノウハウの領域に入ってしまうんですね。
やっぱしノウハウというのはその人が苦労して手に入れるわけですから試行錯誤の繰り返しだと思います。
今の自分はどこの部分を試行錯誤していけば分からなかったものですから困っていました。
そして、条件として増分制御方法は荷重増分法、繰り返し計算方法はニュートンラプソン法で行っています。
# 2002年8月11日 # No.3468 # よし☆彡 #
>そして、条件として増分制御方法は荷重増分法、
>繰り返し計算方法はニュートンラプソン法で行っています。
接線剛性から算出して仮に予測した結果と実際のモデルの結果を比較して許容値以下であれば,仮に予測した結果が等しいということになります.
このとき比較される対象が幾つかありますが,その比較対象の何かが満足しなかった場合,ニュートン法の収束圏外と判断し,
最小増分を下げてきます.ですから,メッセージにどの節点,要素が原因で下げたか残っていると思いますよ.
さらに,ニュートン法の場合計算毎に2乗の割合で近似していく手法ですから,メッセージに出た原因の節点がどのように近似していくかによってその対応方法は違ってきます.
難しければ,以下の方法を試してみたら良いかも!
1. 間違った要素の選定をしてないか調べる.(幾何学的非線形に対応した要素か?)
2. 修正ニュートン法から弧長法に変更するか,または荷重制御から変位制御に変更.
3. 塑性された付近のメッシュを粗くするか,不規則なメッシュにする.
# 2002年8月11日 # No.3470 # ハッピー #
収束しにくい場合の現実的問題解決手段として
収束判定を、「節点力判定」から「変位判定」に変えることもあります。
# 2002年8月12日 # No.3478 # teru #
よし☆彡さん,ハッピーさんご教授ありがとうございます。
盆明けにさっそくやってみたいと思います。
でわー。
# 2002年8月19日 # No.3483 # かんきち #
> 途中までの解析結果の変位対時間曲線を調べてみましたら
> 計算終了直前あたりから変位(荷重ステップ)が
> 塑性領域にはいります。つまり塑性領域にちょっと入ってから
> エラーが出るんですよね~。
> もしかしたらこれが原因じゃないかなと思っているのですが。。
材料定義は適切でしょうか?
解析中に材料が完全塑性(剛性ゼロ)になっていたり、硬化係数が応力値より小さくなって、つい合いが得られなくなった可能性もあるかもしれません。
もしそうなら、応力-歪み曲線を拡張するなどで解決(計算)できるかと。。。
見当違いだったらゴメンなさい。
# 2002年8月21日 # No.3497 # teru #
>もしそうなら応力-歪み曲線を拡張するなどで解決(計算)できるかと。。。
>見当違いだったらゴメンなさい。
いえいえ,助けてくださっている方があやまる必要なんてないですよ.
レスありがとうございます.
で,材料定義のほうですが塑性が定義できるshell4Tというのを使用して
使用材料はSUS304で
縦弾性係数 :197000MPa
ポアソン比 :0.3
降伏応力 :290MPa
硬化係数 :100MPa
の線形塑性体として定義しています.
硬化係数の値が不明なのでてきとーに与えています.
(ほんとに100MPaでいいのかなあ~)
ところで「変位増分法」に「変位制御する節点番号」というのがあるのですが、この節点番号はどこの点を指定すればよろしいのでしょうか?
レファレンスを見たのですが詳しくどこどこに指定するといったことは記されていません.
よろしくお願いします.
# 2002年8月21日 # No.3500 # チャーリー #
> 縦弾性係数 :197000MPa
> ポアソン比 :0.3
> 降伏応力 :290MPa
> 硬化係数 :100MPa
> の線形塑性体として定義しています.
> 硬化係数の値が不明なのでてきとーに与えています.
> (ほんとに100MPaでいいのかなあ~)
とりあえず、よさそうなきがしますが
効果係数に関して、最終のendの真ひずみ値の入力する必要かdefault値がありそうな気がします。
もしなければ、
塑性率(塑性の勾配で)入力するので
SS曲線を頭に思い描いて、初期弾性の10%ぐらいで単純計算すると、ここでの硬化係数は、19700ぐらいの値になるのかなー
必ず、自分でベンダーさんに確認してくださいね。
> ところで「変位増分法」に「変位制御する節点番号」というのがあるのですが
> この節点番号はどこの点を指定すればよろしいのでしょうか?
前のlogに戻るのが難しいので、間違えていたらすみません。
境界として与えた荷重の部分を、変位境界として解析してみたらといったことだと思います。
Aba rogにも関連することです。
他には、hotな話題な、
1.増分(こちょう増分とかRIKS)
2.幾何学非線形
などのオプションを解析入力ファイルに入れる必要がありそうです。
できれば、簡易なモデルで試して応答値を確認しながら行うことをお勧めします。
# 2002年8月22日 # No.3501 # atmori #
> SS曲線を頭に思い描いて、初期弾性の10%ぐらいで単純計算すると
> ここでの硬化係数は、19700ぐらいの値になるのかなー
>
僕の安直な実験器具(単に薄板に重りつけて、変位を計るだけの安直さ(笑))
での経験でも、硬化係数は初期弾性の1%~10%程度です。
だから100MPaは小さすぎるかも。
# 2002年8月25日 # No.3509 # teru #
> > SS曲線を頭に思い描いて、初期弾性の10%ぐらいで単純計算すると
> > ここでの硬化係数は、19700ぐらいの値になるのかなー
硬化係数を19700でやってみたらうまく最後まで計算が回ってくれました.
しかも,試験値と解析結果を比較すると解析結果が試験値の約96%にまでなっていたので良い結果が出ました.
原因は硬化係数が小さすぎたんですね.
レスいただいた方々,本当にありがとうございました.
# 2002年8月26日 # No.3510 # チャーリー #
> 硬化係数を19700でやってみたらうまく最後まで計算が回ってくれました.
> しかも,試験値と解析結果を比較すると解析結果が試験値の約96%にまで
> なっていたので良い結果が出ました.
> 原因は硬化係数が小さすぎたんですね.
大分、文書が途切れていました。
しつこいですが、補足です。(^^;;
SOLVERによって、硬化の入力が異なる場合があります。
真歪-真応力で入れる場合
真歪-塑性域の勾配で入れていく場合
これなどを2直線で近似する場合
n乗硬化 などなど
確認する必要あると思います。
他には、等方、移動硬化などで、周期荷重に対する履歴などとってみると非線形の、妥当性が直感的にわかるような気がします。
(編集担当:Happy 2002/11/16)
<NASTRANによる剛体要素を使った大変形解析>
# 2001年10月19日 # No.2061 # 俊介 #
教えてください。
1)剛体要素(MPC)というのは、
変位後も節点間の距離は変わらないと考えていましたが
これは微小変形の中でのみ成り立つのでしょうか。
大変位の状態で、線形及び非線形解析いずれのケースでも
大きく変位しています。
2)円筒座標で節点のTRを拘束した場合、変位後もZ軸との相対距離は
変わらないと考えていました。これは上記同様間違いなのでしょうか。
モデルとしては、任意節点を構造体の変位に伴い円周形状のガイド上を
滑らすことを想定し円筒座標を使用しましたが失敗しました。
# 2001年10月20日 # No.2064 # ハッピー #
またしても、不可思議な現象。
・MPCと言ってもいろんなタイプがあって相対変位が生じるものもあります。
いわゆる剛体リンク要素であれば、微小変形とか大変形とかに関係なく変位の相対関係を拘束しますから距離は不変のはず。
・「TR」というのは、ThetaとRadialの両方を拘束したと言うことでしょうか?
半径方向を拘束してZ軸との距離が変わるのは???ですね。
# 2001年10月20日 # No.2065 # 俊介 #
上記のMPCとは節点間のTX,TY,TZの従属を拘束した剛体要素です。
円筒座標の拘束はRadial方向のみの拘束です。
この状態で、変位後 拘束した節点とZ軸間の距離が変わります。
そもそも円筒座標による拘束と直行座標による拘束では性格が違うのでしょうか。
教えてください。
# 2001年10月20日 # No.2067 # imada #
> 教えてください。
> 1)剛体要素(MPC)というのは、
> 変位後も節点間の距離は変わらないと考えていましたが
> これは微小変形の中でのみ成り立つのでしょうか。
> 大変位の状態で、線形及び非線形解析いずれのケースでも
> 大きく変位しています。
>
>
> 2)円筒座標で節点のTRを拘束した場合、変位後もZ軸との相対距離は
> 変わらないと考えていました。これは上記同様間違いなのでしょうか。
> モデルとしては、任意節点を構造体の変位に伴い円周形状のガイド上を
> 滑らすことを想定し円筒座標を使用しましたが失敗しました。
>
この情報からだけだと、1)は2つの点が完全に相対位置関係を拘束されるので当然距離も変化しないと考えられますね。
2)の場合は、指定した円筒座標系のZ軸からの距離を一定にすることが目的ですから、それがそうならないとすると、バグか指定方法自体になにか間違いがあったと考えられますね。
# 2001年10月20日 # No.2071 # ハッピー #
念のため、簡単なモデルで、今試してみましたが2項目とも問題なく動きます。つまり
1)TX,TY,TZをMPC拘束した2点間の距離は変形後も変わらず
2)円柱座標系で、TR拘束した点は半径方向変位=0、つまりZ軸との距離は変わらず何れも、当たり前の結果です。
1)に関し、MPC拘束した従属点に、SPCで拘束していると言うことはありませんか?
うっかり、SPC拘束すると、MPCが無視されました。NASTRANはSPCを優先するのかな
2)に関し、コンター図ではUx,Uy,Uzに変換して出ちゃいますので、仮にUrのコンターを描こうとしてT2trabslationを選んでも、それはUyになりますので、必ずしもゼロにはなりません。
これらでなければ、チェックランしても構いませんが。
#円筒座標系による拘束も、プログラム内部では座標変換されて全体直交座標系で扱われます。
従って、本質は同じです。ただプリとポストがどう解釈しているかを注意する必要がありますね。
# 2001年10月24日 # No.2097 # ハッピー #
よく考えると「大変位・大回転」ではマズイ場合があります
1)剛体要素というのはアプリの内部的にはMPC(多点拘束)で、節点変位の線形式で従属点の自由度を拘束します。「2点間の距離が一定」という条件は一般には線形結合式では表せませんよね。変形前の相対位置に基づき係数が決められるので大変位が生じるとマズイか。
一方、主節点が梁要素点の場合などは6自由度あるので、剛体棒の先端に従属節点を位置づけると、剛体棒の距離をキープしたまま従属点の変位を線形式で定義できます。
2)円柱座標系は、内部的には各節点位置でLocalに半径、θ方向の局所直交座標系を定義するものです。つまり、θ方向といっても純粋に円弧状の変位を示すものではなく接線方向です。
ですから、例えばX軸上の節点について言えば、全体直交座標系のUxを拘束するのと、全体円柱座標系のUrを拘束するのとは同じこと。つまり、Urを拘束したつもりでも実際は、円弧ではなくX=一定の直線上を動きます。よって、厳密にはZ軸からの距離は変化しますし、大変位であれば無視できない半径の変化となる.
# 2001年10月25日 # No.2100 # 俊介 #
ご説明ありがとうございます。
こういった大変形問題は、NASTRANでは無理があることが
わかりました。
それにしても嘘でも結果だけはでてきますので恐ろしいですね。
この機会に剛体要素の定式化に関し詳しく勉強しておきたいのですが
情報御提供願えないでしょうか。
# 2001年10月25日 # No.2105 # チャーリー #
梁要素を使うのもいいと考えているのですが
私は、この類の節点自由度を考えると頭が痛くなるで、、
いつも常套手段にしてます。
# 2001年10月27日 # No.2114 # ハッピー #
NASTRANでも、幾何学的非線形オプションと従動荷重オプションを立てて、チャーリーさんがおっしゃるように、梁要素(剛性を十分高くした)を回転ロッドにすればZ軸から一定距離の軌道上で拘束することは大変位でも可能ですね。
(編集担当:Happy 2002/03/10)
<自動車タイヤの解析手法を教えてください>
# 2001年10月7日 # チャーリー #
こんにちは、ちょっとマニアックな昼夜逆転の連休を過ごしてます。
よし☆三さんなど最近ITASなど皆様(名前出してすみません。)の解析に
触発され、ちょっと大変形復習してます。
タイヤメーカーさんの担当の方も、たくさん見られていることと思い、ここで質問させてください。
ハイドロプレーニングやタイヤバースト解析など紹介HPが見られますが、あんな複雑な解析を、いったいどんなツールや解法で解いてらっしゃるのでしょうか?
実際の開発品だからコメントできないなどあるやもしれませんが
もし宜しければ、競合他社のこんなの知ってるとかの範囲で結構です。
私的には、リゾーニングやALE及び陽解法などにほんのちょっと興味もってます。
宜しくお願いします。といっても連休だしな、、、気長に待ってます。(笑)
(編集担当:Happy 2001/12/22)
<Marcの大変形解析>
# 2001年9月7日 # よし☆彡 #
MARCを使われてる方に質問があります。
形状非線形で使われる、アップデートとトータルラグランジュ法は学術的、理論的な意味は知ってるのですが、MSC(旧MARC)の立場から、どのような場合に使いなさいと示唆されてるのでしょうか?
今年になって時間を見てはソルバーを作ってましたが、出来てみるとトータルラグランジュ法の精度が、思っていたより良いのです。
ぐるぐる回しても塑性させてもこれが精度が良いんです。
# 2001年9月7日 # チャーリー #
> 形状非線形で使われる、アップデートとトータルラグランジュ法は
> ,,,,、MSC(旧MARC)の立場から、
> > どのような場合に使いなさいと示唆されてるのでしょうか?
>
経験上と、その当時の旧MARCの立場回答(笑)ですがアップデートはコーシー応力と対数歪による大変形解析です。
エストラマの場合はリゾーニングを定石としてました。
最近行ってないのですが、ペナルティ数は大分いじった記憶があります。
トータルの場合は、MOONEY OGDEN材エストラマ
応力測定は、2NDピオラ***応力 グリーン・ラグランジェ歪です。
ABAQUSにもあると思っているのですが、ハーマン要素使用の場合と区分されてます。
# 2001年9月8日 # よし☆彡 #
マークを使った経験が数えるくらいないし、マニュアルもお出掛けしないとみられないので、手元にあるかたのコメントをいただくとありがたいのですが、、
ともあれ、チャーリーさんの説明大体理解できます。
ハーマン要素ですが、静水圧の影響のでるようなもの、あるいは各自由度(引っ張り、曲げ、ねじりetc)の剛性比が大きく違うもの、応力値の精度をあげるもの、などで利用される要素だと思ってますが、単純に考えれば大変位問題と独立しているような感じがします。なにか理由があるかわかります?
# 2001年9月8日 # チャーリー #
よし☆三さんの精度に対する回答にはなっていないと思いますがupdate totalのmarc推奨区分としてみていただければ、、、
勤務先に寄ったついでにMARC-CDマニュアルを見てレスしております。
全体的な区分推奨としては、先述の通りです。追記としましてトータルの場合、ゴム材をハーマン要素に適用する場合となってました。すみません。
それで、当のハーマンとは何?ということですが回転歪に
ハーマン定式 σkk/E 平均圧力変数
ムーニーオグデン –p 負の静水圧
を割り当ててます。
回転歪の大小と妥当性によってtotal、updateの使い分けを推奨しているような気がします。
(訂正)×その当時の旧MARCの立場回答(笑)→旧MARC立場の方から得られた回答
応力速度 2ndピオラキルヒホッフ応力
# 2001年9月9日 # よし☆彡 #
仕事、忙しそうですね~。レスありがとうございます。
実はこのレスは私にとって参考になります。少し細かい話になりますが、物体の応力は運動の経緯に依存し定められる、principal of determinismという決定論原理があります。
しかし、通常の非線形材料は(超弾性材などは別です)微少ひずみ増分と応力増分の関係で経路依存してます。となると、大ひずみ増分であるトータルの場合は要素に置換が必要かなぁ~と考えていたんです。(笑)
# 2001年9月9日 # チャーリー #
>> 話はかわりますがラグランジュ要素の動的陽解法の解析ソフト(自作)
>>をオイラー要素に改造する
>> のは困難でしょうか?
> 難しいでしょ。今はアップデートですか?
by よし☆彡 さん
やはり、難しいですか。「今はアップデートですか? 」と言われるのは
どういう意味でしょうか。
(編集担当:Happy 2001/12/22)
<幾何学的非線形って?>
# 2001年1月31日 # Lupin #
現在、I-deas Simulationを使用し、樹脂製部品の非線形静解析を行っております。ところがI-deas Simulationは大変形が発生するとメッシュがつぶれ、解析ができなくなるとのことで解析が最後まで終了しません。
ここでふと思ったのですが、「大変形(すなわち幾何学的非線形)」とはいったい何者なのでしょうか?応力とひずみの間にフックの法則が成立する領域を弾性領域、フックの法則が成立しない領域(SSカーブが線形にならない)を材料非線形と理解していましたが、「だいへんけい」となるとその定義を全く理解していなかったことに気づきました。
どなたかご教授いただけないでしょうか。お願いいたします。また大変形を扱える汎用解析ソフト等、ご存知でしたら紹介してください。
# 2001年1月31日 # aaa #
一般的なことを書き込みます。
非線型解析には
構造非線形(大ひずみ、大変形、大回転)
材料非線形(塑性、超弾性、クリープ)
境界非線型(接触)
があります。
大変形について書けば、荷重位置が変わることで、物体に加わる荷重の成分(x,y,z)がかわる。つぶれる(形状が変わる)ことで、剛性が変化する。
と云うことだと思います。
非線型解析のできる汎用ソフトは、ANSYSやADINA等でしょうか?
一般的に大変形解析では、要素のつぶれ問題があり、ソフトによって、自動リメッシュしたり
作業者が、あらかじめ予測して要素を切ったりといろいろあるようです。
# 2001年1月31日 # imada #
形状が大きく変わったことにより、剛性が変化するような場合です。
ブルドン管を知っていますか?
楕円のパイプを丸めたるやつ。
これに内圧をかけると断面が丸くなりながらパイプ自体も伸びてきます。
これで圧力を測定するのですが、断面形状が変化するので圧力の増加とともに剛性も増してきます。こういう時は、少しずつ荷重をかけてそのたびに剛性マトリックスをとき直してあげなければいけません。
ちなみに、メカニカにも2000iからこの機能が備わりました。
問題によっては荷重方向なんかも変わってくる場合があるのでのでこれも考慮しなければいけませんが、メカニカにはこの機能がありません(T_T)。
大ひずみの場合はメッシュがつぶれるので、途中で再メッシュする必要がある時もあります(昔これで苦労しました^^;)。
ちなみに、接触問題をを幾何学的非線形の範疇に含める場合もあります。
# 2001年1月31日 # モLD #
>大変形が発生するとメッシュがつぶれ、解析ができなくなるとのこれを解消するための、計算上のテクニックです。
線形解析は、微小変位に基づいて行ってますが大変形の場合には、計算空間上節点の移動に関して、座標の変換が必要になります。
こんなモデルの解析を比較するとわかると思います。
長い幅広棒の中央をコの字に曲げた形状の引張り問題です。
線形解析の場合、そんなばかなといった変形を示します。
--
← ----- ------ →
考えてみると、ほとんどの場合非線形の問題がほとんどなのですが非線形を導入してがしがし解析したほうがはやいようにも思います。
>また大変形を扱える汎用解析ソフト
非線形が代名詞となる10年以上歴史のある
有名ソルバーでしたら大抵OKです。
# 2001年1月31日 # Lupin #
さっそくのアドバイスありがとうございます。
> >大変形が発生するとメッシュがつぶれ、解析ができなくなるとの
> これを解消するための、計算上のテクニックです。
> 線形解析は、微小変位に基づいて行ってますが
> 大変形の場合には、計算空間上節点の移動に関して、
> 座標の変換が必要になります。
座標変換とはI-deasのように大変形はNGのソフトでもできるのでしょうか?それともこれは大変形に対応したソフトが行っている計算内容なのでしょうか?
> こんなモデルの解析を比較するとわかると思います。
> 長い幅広棒の中央をコの字に曲げた形状の引張り問題です。
さっそくI-deasで試してみます。これくらいのモデルでしたら最近入手したANSYS EDでもできそうですね。
(操作方法をこれから習得しなければなりませんが)
>こういう時は、少しずつ荷重をかけて
>そのたびに剛性マトリックスをとき直してあげなければいけません。
これはメッシュを細かくすること、または荷重をかける時間ステップを細かくすることである程度は対応可能なのでしょうか?それとも上記対策とは根本的に異なるのでしょうか?
>大ひずみの場合はメッシュがつぶれるので、途中で再メッシュする必要が
>ある時もあります(昔これで苦労しました^^;)。
メッシュがつぶれることを予想してメッシュを切るとよい、という意見がありましたが、これは現状の大変形が生じそうな場所のメッシュを予め細かくする、ということでしょうか?
以上、矢継ぎ早に質問ばかりで恐縮ですが再度のアドバイスよろしくお願いいたします。
しかしこの掲示板はみなさんの反応がよいですね。現在の私にとってはなくてはならない存在になりつつあります。
# 2001年1月31日 # ハッピー #
>メッシュがつぶれることを予想してメッシュを切るとよい、という意見がありましたが、
>これは現状の大変形が生じそうな場所のメッシュを予め細かくする、ということでしょうか?
byLiupinさん
何か、「大変形」と「メッシュのつぶれ」が同値となってしまって
いるような気がするのですが。
大変形でもメッシュがつぶれない場合はあるし、メッシュがつぶれなくても「大変形」として
扱わなければいけない問題もあります。
# 2001年1月31日 # imada #
>これはメッシュを細かくすること、または荷重をかける時間ステップを細かくすることである程度は対応可能なのでしょうか?
>それとも上記対策とは根本的に異なるのでしょうか?
通常は自動時間増分で、ソフト側で非線形性に応じて自動でやってくれます。
非線形性に関する大概のことはソフト内部で処理してくれますよ。
(もちろん自分でコントロールすることもできますが)
>メッシュがつぶれることを予想してメッシュを切ると
>よい、という意見がありましたが、これは現状の大変
>形が生じそうな場所のメッシュを予め細かくする、と
>いうことでしょうか?
(改行位置変えました)
これははっきり言って難しいでしょう。
まあ、大きくひずみそうな要素は、あらかじめアスペクト比を小さく、きれいな形に作っておくくらいはできますが。
もっとも、かしめの解析(塑性流動)とかでなければ、そんなに激しく要素がひずんでしまう解析、というのも多くは無いと思うのですが。
# 2001年1月31日 # よし☆彡 #
>座標変換とはI-deasのように大変形はNGのソフトでもできるのでしょう
>か?それともこれは大変形に対応したソフトが行っている計算内容なので
>しょうか?
近い計算ならできるかもしれません。(何を行おうとしてるのかわからないで、、)
方法は以下のとおりです.
1. 面積、体積を増やさないようにするため、ポアソン比を0.5近くにし、
解析した結果でFemodelの節点座標をアップデートします。
2. 次にポアソン比も本来の姿に戻し本来の解析を行います。
これにより、求めたい大変形計算に少しは近くなるのではないでしょうか?
本来の計算は、行列分解すると 回転(テンソル)したものを、次にストレッチ(テンソル)させると言う方法とその順番の逆があります。線形解析の結果を剛体回転すると、変わるはずのない形が変わってきます。これが、大変形の基本的な違いで、精度のよいといわれる大変形解析(アップデートラグランジュ法)を使っても、正確にいえば寸法が変わってきます。
そこで、寸法を全く変わらずに解析が必要な場合は、いわゆる機構解析を使うことになるかと思います。
>メッシュがつぶれることを予想してメッシュを切るとよい、
つぶれる->ひずみ(応力)が高い->メッシュを細かく切る
これは有限要素法の大原則です。
(編集担当:Happy 2001/12/21)
<大変形って?>
# 2000年5月9日 # car #
ところで、材料は線形でも変位量が大きい(微少ではない)場合
は、線形構造解析プログラムでは、解析できないですよね?
(ま、解析できても、望まれる結果は得られないの意)
たとえば、ゴムとかだと思うんですが、これはなぜでしょうか?
数学的というか、弾性力学的に教えていただけないでしょうか?
# 2000年5月10日 # ハッピー #
>ところで、材料は線形でも変位量が大きい(微少ではない)場合
>は、線形構造解析プログラムでは、解析できないですよね?
bycarさん
そういうことですか。
普通、線形解析ソフトといっているのは「微小変形理論」に基づいていますね。
読んで字のごとしで、変形が微小である事を前提にしている。
釣り合い式を考えるときに、微少な立方体を考えて、応力に立方体の各面の面積(dxdy、dydz、dzdx)を乗じるわけですが、微小変形では、相対する面が同じ面積かつ平行であると見なせるわけです。だから釣り合い式も単純な形になる。
(両辺をdxdydzで割っていることに気がつきました?carさん)
ところが変形が大きくなって、この立方体の歪みの影響が無視出来なくなるとこの理論を使うわけにはいかないわけです。面の面積が変わる上に面の向き=力の方向も変わってしまうわけですから。ゴムのような大変形材料は当然です。
#因みにゴムは弾性体ですが線形ではありませんヨ。非線型弾性あるいは超弾性です。
線形弾性体でも変形が大きくなると微小変形理論からは外れてしまいます。例えば、まっすぐな棒を軸方向に押す場合、単純に押す場合と、棒に横から力を加えて棒を弓なりにさせた場合を考えて下さい。
弓なりになっている場合には、棒を押すとへの字に曲がりますね。横力によって部材の形状が変わってしまっているからですね。でも微小変形理論の線形解析ソフトではそういう結果は得られません。
あくまで、あらゆる荷重が加わる前の状態で剛性を評価し、力の釣り合いを考えるからです。
(編集担当:Happy 2000/12/22)