溶接
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溶接部は強度的に問題となりやすい重要な部分ですが、いざモデリングしようとすると大変。まず形状の問題、そして材質の問題。皆さん悩んでいるようです。

<溶接板構造の溶接のモデル化について教えて下さい>

# 2000年3月22日 # TEN #
NASTRAN for windows を使ってますが、
薄板鋼板の溶接部はどの様にモデルを作成するのが「BEST」なのか悩んでいます。
ソリッドで実物と同じように溶接ビートまでモデルを作成するのが最も精度が高いのでしょうが、薄板(2mmぐらい)だとメッシュがすごい数になりとてもPCでは解析できそうもありません、プレート(シェル)要素だと、接点をマージして一体構造にするか、剛体要素で縫い合わせるぐらいしか、思い浮かびませんが、もっといい方法とか、普通はこんな風にするのが一般的とか、
アドバイスをお願いします。


# 2000年3月22日 # モLD #
WSでも難しいところがあります。
一般的には、SHELLで行っているはず、
手前どもでは迷いなくSHELL要素です。
たまに梁要素で、手抜きど横着することもあります。
評価降伏応力も吟味と、Zooming機能は、是非とも必要なところ。
他、剛性の設定、マッチ(整合)化は結構骨が折れますね!
溶接部のみ最初にHEXAで作ってしまえば、それなりに接点数が
比較的、少なくできるようにも思えますが...


# 2000年3月23日 # ピンクのムカデ #
いつも、省略することしか頭に無いので、一つの事例として参考にしてください。
昨年の春頃にMSC/NASTRANを使った解析での溶接部の対応方法です。
対象部品は、某製品のユニット台(白物でこの名前を使う商品は限られていますが)で耐久試験時に溶接部から損傷が起こったため、構造解析を行いました。
対象の部品の基本構成は、板厚は1.5mmで一辺30mmの矩形断面部品で折り曲げて溶接した部材で組み合わせた物でした。溶接部の物性値が判らないし、溶接を施していない板部分の面積がかなり大きくモデル化も大変だから、実験で済まして欲しいと逃げていたのですが、現場から、どうしても溶接部の強度を見たいとのことでしたので、溶接部は板厚の10倍までをソリッドでモデル化(Extrude可能でCHEXAで作れたのが幸い)し、他の部分はシェルで作成し、RSSCONにてソリッドとシェルとを結合することを繰り返して全体モデルを作成しました。
振動試験を大質量法でSOL.111で解きましたが、耐久試験での結果と比較的合致し、解析開始から2日ほどで対策案の提案と評価が出来たことがありました。


# 2000年3月26日 # ハッピー #
普通、「溶接部止端部の応力を見て疲労強度を評価したい」というのでなければ、シェルでモデル化した場合は、溶接ビードをモデル化しませんね。モLDさんのように。
剛性という観点から見た場合、溶接ビードが剛性に寄与する割合なんて高が知れていますから。また、溶接部の強度を議論する場合も、普通はシェル要素そのままで解析し、得られた応力分布から断面公称応力を抽出し、これに継ぎ手形状、ビード形状に即した応力集中・切り欠き係数を乗じて応力評価を行うことが殆ど。
でも、どうしても詳細な強度評価したいという場合は、ピンクのムカデさんのように、ソリッド要素とシェル要素の混合モデルを用いる事になると思います。

実は、溶接部ではないのですが、シェルモデル部(ラフ)とソリッドモデル部(詳細)の結合モデルで解析しようとしていたところだったので、ピンクのムカデさんが書かれたRSSCONを調べてみたんです。うちではNastranでシェルとソリッドを使う場合、みんなは剛体要素(RBE2)を使って、シェル側をマスターとしているようなんですが、これではソリッド側の板厚方向変形を拘束するのでマズイ。一方、AbaqusにはSS_Linearというソリッド側をマスターとする結合オプションがあって、私はこれまでこれを使ってきたんです。じゃあRSSCONはNASTRAN版のSS_Linearなのかなぁと思って。
マニュアルを見ると、考え方はSSLinearと同じで本掲示板の古~い過去ログの「結合法復習会」に書かれていたもの。但し、RSSCONはソリッド側が厚み方向に一層であることが前提なんですね。端なる曲げ問題ならOkですが、うちでやってるのは熱応力問題が多く厚み方向にソリッド一層てことはまずない。するとRSSCONは使えない。
ということで、Nastran版のSS_Linearを作る事にします。(振動解析も行うのでNastranがBetter)あと、RSSCONにしろSS_Linearにしろ、シェル側とソリッド側の分割パターンが一致している事が前提ですが、不一致の場合でも結合できる方法にしようと考えています。
(編集担当:Happy 2001/12/22)



<他ソフトにもスポット溶接機能が>

# 2001年3月10日 # ハッピー #
以前、この掲示板でもちょと話題になったスポット溶接のモデリング機能。
最近、いくつかのソフトがバージョンアップに伴って追加しているようです。
従来は部材Aと部材Bのスポット溶接をモデル化する際は、溶接位置に節点が来るようにモデル化していたのが、節点位置を考慮せずに任意の位置でスポット溶接が出来る。
要するに、相対する要素の要素面上に追加節点を設け、これをMPCなどで面上に拘束した上で、これら節点を溶接部に等価な梁要素で結合するものだと思いますが、これで妥当なのでしょうか?
うちの製品はシーム溶接が殆どでスポット溶接は良く知らないので。
スポット溶接からイメージするのは点接合ですから接合部には応力集中が生じると思われますが、このモデル化では伝達力は要素の節点に分配されてしまうので、応力集中は再現できないように思います。また溶接部(梁要素)に作用する力も、従来のモデル化とは異なったものになりそう。
いや、そうじゃなくてスポット溶接構造の解析ではスポット溶接部の破断などは特に気にする必要がないのでしょうか?
「等価な梁要素」の定義も難しそうですね。

# 2001年3月10日 # imada #
おっしゃるとおりで、スポット溶接近傍に注目することはできないと思います。
要するにこの機能は、2つの部品間で離散的に力が伝達することを表現するためにあり、全体の大まかな挙動やスポット溶接部から離れた点での変位量などを評価するためのものと考えております。
自動車のボディー全体をシェル要素で固有値解析をする時等に、エッジ対エッジで結合してしまうと、剛性が高すぎて実験結果とあわない時等に効果を発揮するのではないでしょうか。
私の場合は、ボルト結合部にこの機能を用いて複雑なアセンブリモデルの解析を実施しています。
ただし、ソリッド要素を用いてMPCでつなげる方法はぜんぜん実験結果とあわない上、計算時間が異常にかかるため現在は実施しておりません。
この機能、シェル要素を使う時はほんとに便利だと思いますよ。

# 2001年3月10日 # ハッピー #
レス有り難うございます。
なるほど。ということは変に「等価な梁」なんて怪しげな事をせずに、点同士を剛体結合しちゃう方がすっきりするわけですね。

>私の場合は、ボルト結合部にこの機能を用いて複雑な
>アセンブリモデルの解析を実施しています。
その場合、初期締め付け力はどうしましょう?シェルでは厚み方向の剛性はありませんから。
変形をあまり気にしない問題ならどうでも良いかな。


# 2001年3月11日 # imada #
ボルト締結による変形を気にする時は、やっぱり別のモデル化方法をとりますね。
単純に固有値解析なんかをするときだけですね~。
(編集担当:Happy 2001/12/21)



<ProMechanicaのスポット溶接機能>

# 2000年11月2日 # imada #
接合部の状態が理由で、変位が小さくなっているとお考えになっており、これをボルト結合に置き換えたいとしたら、「スポット溶接」を使ってみるのはいかがでしょうか?
重なる板(サーフェス)どおしを平行に少し離して配置しておいて、ボルト位置に「スポット溶接」を作成すると両サーフェスに面直にビーム要素を渡してくれます(まあ手作業でビームを作ってもいいんですが・・・)。
結合部分の工夫は他にもいろいろとありますが、結果的には剛性をあわせ込むことになるので、それほど正確なものにはならないと思います。
これを、どうやって実状にあわせていくかは一種のノウハウになってくると思います。

# 2000年11月6日 # ハッピー #
何と!メカニカってスポット溶接ができるんですか!
相手面へ垂線を下ろして垂線の足とビーム要素で結ぶわけですね。
でも、そのビーム要素の特性はどうやって決めるんでしょう?
デフォルトがあるんですか?あとビームだと長さがあって、それによってモーメントが生じそうですが、どう解釈しましょう?

# 2000年11月6日 # imada #
でも、そのビーム要素の特性はどうやって決めるんでしょう?
・・・ハッピー さん

いい質問ですねぇ。
ビーム直径と材料特性をプロンプトで聞いてきます。

>ビームだと長さがあって、それによって
>モーメントが生じそうですが、どう解釈しましょう?

その辺が「ノウハウ」(^^;)でしょう。
ビーム直径と長さを適切に取ればそこそこあわせられると思いますよ(もちろんビーム着地点近傍には目をつぶって・・・・・・)。
(編集担当:Happy 2001/12/21)





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