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家電製品などで部品同士を結合するのに、よく用いられるのがスナップフィットと呼ばれる柔らかい樹脂製のジョイント。例えばケーシングに基板をつけるなど。最近、ノートPCや携帯電話の落下解析ニーズの高まりと共にモデル化が議論になるようです。 |
<携帯電話のスナップフィットのモデル化について相談>
# 2000年4月27日 # ぴよ #
携帯機器の落下衝撃解析をやりたいのですが,アセンブリでスナップフィットを使っているところはどうすればいいんでしょうか?
良く共有接点でつないで計算するのですが,剛性が高く評価されているように思います.スナップフィット自体をモデル化して接触定義するという荒技も考えられますが,実用的では無いと考えます.
皆さんは,アセンブリモデルでのジョイントをどうやって定義しているんでしょうか.
最近,ここを知ったので,既に議論されていたらすいません.
# 2000年4月27日 # モLD #
なんか、難しそうですね。
剛性が高いというよりも、Tying要素の自由度の問題の気がします。
手前どもでも、スナップフィット箇所の解析は
よく接触解析で行っていますが...
接触定義でも、いいんではないでしょうか?
他に方法あるのかもしれませんが(^^;
MSCさんに落下衝撃専用解析ソフトがあり、携帯電話の解析事例を
見たことがありますが、HPを参照されてはどうでしょうか?
# 2000年4月27日 # ハッピー #
つまり、本来、スナップフィット部が変形ないし摺動することで衝撃が緩和されると期待されるところが、ダイレクトな衝撃が加わって厳しすぎる評価になりはしないか?
ということでしょうか。
最近、解析事例発表なんかで、自動車のウェザーストリップ(ドアやの縁に付いている気密用の黒いゴム)の大変形・接触解析をよく見かけますね。ああいうのの応用で、スナップフィット部だけをモデル化して、引き抜く際の解析を行って非線型の荷重・変形特性を求め、これを全体モデルに非線型ばねとして組み込むのはいかがでしょう?勿論、引き抜き荷重のリミッター付きで。
ダンピングも多少はあるでしょうが、どうしましょうね。
# 2000年4月29日 # ぴよ #
>スナップフィット部
>だけをモデル化して、引き抜く際の解析を行って非線型の荷重・変形特性
>を求め、これを全体モデルに非線型ばねとして組み込むのはいかが
>でしょう?勿論、引き抜き荷重のリミッター付きで。
byハッピーさん
さすが,ハッピーさんですね.GOODなアイデアだと思います.
スナップフィットを剛体で定義した角部に接触させて引張上げ,
その時の変位量と反力からバネ定数を求めるわけですね.
リミッタ-はどうやって表現するんですか?
ある変位量になったら,急にバネ定数が高くなるように定義するんでしょうか?
>ダンピングも多少はあるでしょうが、どうしましょうね。
byハッピーさん
そうなんですよ.これも悩みの種ねんですよね.材質の持つ粘性減衰もあるだろうし,接触摩擦による減衰も有るとは思うのですが,下手に定義しちゃうとよけい分からなくなりそうなので,不確定な要素は無視して計算し,実際には減衰のため,この程度になるという風に評価しようと思ってます.
>接触定義でも、いいんではないでしょうか?
>他に方法あるのかもしれませんが(^^;
byモLDさん
細かいところの形状をモデル化したくないのと,DYNA(陽解法)を使っているので,メッシュサイズが小さくなると解析ステップが小さくなってしまうのがイヤだったのです.
最終的には,ハッピー手法がうまくいかなかった時は接触に頼ろうと思います.
でも,接触が原因で計算がうまくいかない時も有るので....
>MSCさんに落下衝撃専用解析ソフトがあり、携帯電話の解析事例を
>見たことがありますが、HPを参照されてはどうでしょうか?
byモLDさん
DYTRANのことでしょうか?DYNAと似たようなものではないかという風に思ってますが,どうなんでしょう?
HP見ましたが良く分かりませんでした.
うまくいったらこの場で報告させていただきたいと思います.
でも,実験を再現しようと思うとどこまで詳細にメッシュをつからなければならないのか良く分からないし,実装基板(プリント板)が厄介なんですよね.
プリント板のモデル化でコレっていうのは有るんでしょうか?
それでは,また.
# 2000年4月29日 # ハッピー #
>リミッタ-はどうやって表現するんですか?
>ある変位量になったら,急にバネ定数が高くなるように定義
byぴよさん
私は引っ張り側のリミッター、つまりスナップフィットがすっぽ抜けてしまう状況を考えていたのですが、そうではなくて底付きしてしまうような状況のようですね。
非線型ばねのばね定数をある変位を境に極端に大きくするというのもよく使う手ですが、完全にストロークさせないようにする手もあります。
Abaqusで言えばMPC、Marcで言えばTyingを解析の途中でOn/Offするもので何れもユーザーサブルーチンで実現できます。
まず点Aと点Bの間をスナップフィットを模擬した非線型ばねKabで結んでおきます。
ΔUab(AとBの相対変位)=スナップフィトの変形が基準値を下回った時点、またはFab(Kabに働く力)が基準値を上回った時点で、AとBの間に拘束を与え相対変位ΔUabを拘束してやればOKです。AとBの間につっかえ棒を挿入するようなものです。
逆に、引っ張りによって引き抜けるのをモデル化するには、AまたはBを重複点としておいてこの重複点Cを基板ないしケースに置きます。ここでは、Aが基板、Cがケース、BがCと同位置にあるとします。最初は、BとCをMPC、Tyingで拘束して「同一点」として挙動させておいて、ばねKabの力が基準値を超えた時点でこの拘束を解除してやれば、すっぽ抜けます。
#ぴよさんの問題を恐らく正確に理解していないと思いますが、参考になればと思います。
# 2000年4月29日 # モLD #
>AとBの間につっかえ棒を挿入するようなものです。
A,B接点の自由度ってどうなるのかわからない。
いつもこれで失敗しています。すりぬけるんです。
接触って本当に難しいな。
# 2000年4月30日 # ハッピー #
>A,B接点の自由度ってどうなるのか
A,Bの相対変位、Ua-UbをWatchしていて、これがδ以下になった時点で
Ua-Ub=δ(一定値)とします。Aをスレーブとするなら、Ua=Ub+δ、BをスレーブとするならUb=Ua-δという条件式をユーザーサブルーチンで起動します。
以前、ボルト/ナットの解析をφz自由度(z軸周りの回転)を有する軸対称要素でモデル化しました。ボルト/ナット間には初期ギャップがあり、締め付けるに従い、山と山が接触していきます。この時、ボルト側、ナット側の点A,Bの山の法線方向相対変位をWatchしていて、これがゼロになった時点でネジのリード角による回転/並進相対変位の拘束条件を与えてやります。
すると、トルクが引っ張り力に変換されて締め上げられて行きます。アイデアとしては自信がありましたが実際に軸対称モデルでナットが回転したときは感激でした。
#すっぽ抜けを防ぐには、荷重増分を十分小さくすることと、ソルバーの接触判定パラメーターをよ~く調べる事も有効です。
# 2000年5月1日 # モLD #
ハッピーさん、ぴよさん、興味本位の便乗質問になって
反れてしまってすみません。
>#すっぽ抜けを防ぐには、荷重増分を十分小さくすることと、
>ソルバーの接触判定パラメーターを
>よ~く調べる事も有効です。
なるほど、接触判定、よくわかりました。
すべりも発生すると境界も移動しますし、接点も複数ありますし衝突の、荷重増分のコントロールをどうしたらよいものかがなかなか定式化できない私です。
(編集担当:Happy 2001/12/22)
<スナップフィットに適した要素、材料モデルは?>
# 1998年10月22日 # たすけてCAE #
主に、樹脂の非線形構造解析を行わなければなりません。
で、やり始めてのですが、星の数ほどある(大げさですが)エレメントタイプの
中から、どれを選択すればいいのやら・・・。
どなたか、このようなシロートに愛の手(合いの手でも結構です)を!
解析の主な具体的目的はスナップフィット(パチンとはめるアレです)
の設計です。
# 1998年10月28日 # Gan #
こんにちわ。Ganです。引越ししたためインターネットがしばらく使えなくなってしまいました。
で、178のお話ですが、スナップフィットの設計に果たして非線形解析が必要でしょうか?
私もよく設計していますが、スナップフィットはI-DEASで線形解析やってます。もともと、線形範囲で設計しなくてはいけないものなので、多少の応力効果はS-S線図で補正してってやってます。
結構実機とも相関性もとれてますよ。
# 1998年10月28日 # よし☆彡 #
樹脂材を線形で解析する時に、ヤング率はどうやって決めているのでしょうか?
# 1998年10月31日 # Gan #
ヤング率は、メーカーさんのデーターを基に決定しています。
カタログ値には、引張り弾性率と曲げ弾性率が記載されています。
(・・ものが多い)
例えばスナップフィットは、曲げが主なので曲げ弾性率の方をまず使用します。これで単純形状を解析しそれと実験値の相関をとります。
(もちろん、その材料が他に使っているなどあればですが・・。)
これに誤差がある場合実験値を優先させてヤング率を修正します。
でも、結構線形部分では、カタログ値でもうまくいきますよ。
POM、PBT、PPS位はやりましたが、まだまだデータ的には少ないのが現状ですね。この辺の値を共有して、情報交換できる場が出来ると良いですね。
# 1998年11月11日 # たすけてCAE #
Ganさん、yamaさん、アドバイスありがとうございました。
まずは、レスが遅れましたことをお詫びいたします。
おっしゃるとおり、スナップフィットは非線形ではありませんね。
当方にて扱うのは、このほかに、熱変形などの耐久形状の探索などです(具体的には変形限界値のより高い形状を探すこと)。
弾性域ではs-s線図に割と忠実とのことですが、試験はJISなどに載っている、試験片を使ったモノで充分いけるのでしょうか。
初心者の強みで、後先考えずやってみたいと思います。
(編集担当:Happy 2001/12/22)