樹脂
TOP > 四方山情報  >  材料物性  > 樹脂
樹脂に関しては、射出成形時の流動解析ならびに、製品の構造解析と多くの物性が必要になる。
「CFD>樹脂流動解析」も参照ください。

<スチレン系プラスチックの真応力-対数歪曲線>

# 2002年7月22日 # No.3353 # 麗奈 #
大昔、一度書き込みさせて頂いたものです。その折はお世話になりました。
また、疑問に突き当たりましたのでアドバイスをお願いします。
MARCの解析入力データを得る為、スチレン系プラスチックの真応力-対数歪曲線を測定しています。一軸伸長粘度計を利用して測定しているのですが、真応力であるにもかかわらず、条件によって降伏点後に多少(真応力の)値が低下してその後上昇するような傾向が見られます。
特に温度が低いほうが顕著みたいです。断面補正はCCDカメラで行っています。
降伏後は分子鎖の絡み合いがとけて配向していく段階なので、真応力は下がらないと思っていたのですが、これって測定上の問題でしょうか?


# 2002年7月22日 # No.3356 # チャーリー #
測定は、合っていると思います。
延性金属でないものでしたら比較的なり易いSSと思います。
降伏が全体に広がっている段階では、と考えてます。
温度差は、弾塑性材料は、変形歪箇所が、熱に変化しますので
その影響ではないでしょうか?


# 2002年7月22日 # No.3357 # ハッピー #
樹脂に関しては全く素人なので、逆に教えて頂きたいのですが、
この「一軸伸長粘度計」というのは、荷重制御なんでしょうか?それとも変位制御?
スミマセン、どうでも良い質問で。


# 2002年7月23日 # No.3360 # よし☆三 #
> 降伏後は分子鎖の絡み合いがとけて配向していく段階なので、
> 真応力は下がらないと思っていたのですが、
> これって測定上の問題でしょうか?

スチレン系といえど,種類が多くまったく特性が違うので一概にいえませんが,話からすると降伏点と抗張力が一緒で延性破壊(5~50%のび)の物でしょうね.公称のグラフで降伏点からの落ち込みが激しければ,それはそれで合ってるのではないかなぁ.
また,CCDで計測したくびれは抗張力以降に発生するはずなので,それ以降を補正するために使うという感じでやってれば合ってると思いますよ.
ただ解析上それをそのまま使うかどうかは,また別問題かもしれませんね.



# 2002年7月23日 # No.3366 # 麗奈 #
チャーリーさん、ハッピーさん、よし☆三さん、レスありがとう御座います。
頭が@状態なのでもう少し質問させて下さい。

> 測定は、合っていると思います。
> 延性金属でないものでしたら比較的なり易いSSと思います。
> 降伏が全体に広がっている段階では、と考えてます。
> 温度差は、弾塑性材料は、変形歪箇所が、熱に変化しますので
> その影響ではないでしょうか?
byチャーリーさん

「降伏が全体に広がっている段階」とは、
一部が降伏してそこが少し細くなって選択的に伸ばされることによって歪硬化して、また別(隣?)の場所が伸ばされ、といったことが試験片のあちこちで起こっている状態、と言うことですよね!?
この部分的に伸びている箇所が多くなっていくことによって除荷されていき,
応力が下がっていく、その後さらに進むと配向による歪硬化の影響の方が強くなって、応力が上昇していく、
という考え方でよろしいですか?

また、低温の方が変形箇所の発熱による温度上昇が大きいから、
その分、応力の低下も大きい、ということですね?

> この「一軸伸長粘度計」というのは、荷重制御なんでしょうか?
> それとも変位制御?

byハッピーさん

変位制御です。歪速度一定で測定しています。T精機社製です。
今改めてT精機社のHPを見たのですが、本装置は載っていませんでした。
やはりマイスナー型だけにマイナーなのですね(寒)。

> 公称のグラフで降伏点からの落ち込みが激しければ,
> それはそれで合ってるのではないかなぁ.
> また,CCDで計測したくびれは抗張力以降に発生するはずなので,
> それ以降を補正するために使うという感じでやってれば合ってると
> 思いますよ.
> ただ解析上それをそのまま使うかどうかは,また別問題かもしれませんね.
byよし☆三さん

確かに公称での落ち込みは激しいです。
ちなみに樹脂はSBSブロックコポリマーです。測定している温度では数百%伸びます。
CCDでの補正の仕方はおっしゃられている通りの方法です。
解析にはその部分は、ほとんど応力が上昇しないという形で入れようと思っています。

以上、まとめての返信でごめんなさい。



# 2002年7月25日 # No.3375 # チャーリー #
> 「降伏が全体に広がっている段階」とは、
> 試験片のあちこちで起こっている状態、と言うことですよね!?
> この部分的に伸びている箇所が多くなっていくことによって
> 除荷されていき応力が下がっていく、その後さらに進むと配向による
> 歪硬化の影響の方が強くなって、応力が上昇していく、
> という考え方でよろしいですか?
by 麗奈さん。

そそっかしいレスで御迷惑かけました。上記現象の影響と考えてます。
角柱や円柱の場合、スピードなどで不安定になったりしますが
ダンベル試料などにすると比較的安定になったりする影響もあるのかな
とも考えていたのですが、今回の場合違うようですね。


# 2002年7月26日 # No.3382 # 麗奈 #
チャーリーさん
いえいえ、頭の中を整理する上でとても参考になりました。
ありがとう御座いました。
自分なりに文献等をもう少し調べてみようかなと思います。
(編集担当:Happy 2002/11/10)



<樹脂メーカー各社多様な樹脂部品の物性値は彼らのTopSecret?>

# 1999年10月2日# ピンクのムカデ #
1.樹脂流動解析については、5年ほど前に止めました。
 一番大きな理由としては、実際に使用する樹脂の各種物性値が入手できない点です。
 例えば、掃除機の外郭部品の材料はABSですが、多種多様のものが有ります。
 強度があり成形サイクルが短いという要求を出したとしても、材料メーカーはこの新材料なら、今まで以上に・・・という売込みをしてきます。
 その新しい材料の物性値をメーカーが公表するでしょうか。
 彼らにとって、まさに企業秘密そのものです。ですから、単に目安として、或いは自己満足のために樹脂流動解析をするよりも、購入先の材料メーカーに対象の部品を解析ソフトに合った解析モデルとして渡し、その結果をタイムリーに入手し、反り解消などを考慮した金型手配をすることが、量産設計では重要と割り切りました。
 ただ、最近は内製化を進める上で、再度トライしようとも考えています。
(編集担当:Happy 2001/12/22)



<樹脂の線形解析での物性値の扱いは?(2)>

# 1998年11月1日# 子羊です #
私の疑問は線形解析ソフトでプラスチックの構造解析をする時の方法(弾性率非線型性を補う方法)です。対象モデルは大変形ではなく、対象値(応力、歪み等)のおおよその値や相対比較が目的です。質問は、
①POMはある歪み時の弾性率が、初期弾性率85%以内であれば線形解析として扱えると記憶してますが、他材料も同じでしょうか?
②周囲に「モデルに力を加えた場合その応力は正しい。」と言う意見がありますが正しいのでしょうか?私は有限要素法の手順としてどの様なモデルも(境界条件に力を入れても、変位を入れても)最終的には変位(歪み)が算出されEを考慮して応力とする為、どのモデルの1回目結果で「歪みのみ」が正しいと思うのですが・・・。
以上から手順としては、
1)ますカタログのE(初期弾性率)を入力し解析実行し、歪みを算出する。
2)S-S線図での上記歪み値の時の応力と原点を結んだ直線の傾き(2次弾性率)を求める。
3)2次弾性率が初期弾性率の85%以内であればその結果をそのまま使う。(もし材料が上記①が適用できるとして。また、誤差が大きくてもいい場合)
4)より精度を上げる為には、上記2次弾性率を代入し再度解析を行い、その結果を最終値とする。
もちろん実験を重ねて整合性を取る必要があるかと思いますが、考え方として間違っているかご指摘頂ければ幸いです。
(編集担当:Happy 2001/12/22)



<樹脂の線形解析での物性値の扱いは?>

# 1998年10月30日# よし☆彡 #
樹脂材を線形で解析する時に、ヤング率はどうやって決めているのでしょうか?


# 1998年10月31日# Gan #
ヤング率は、メーカーさんのデーターを基に決定しています。
カタログ値には、引張り弾性率と曲げ弾性率が記載されています。
(・・ものが多い)
例えばスナップフィットは、曲げが主なので曲げ弾性率の方をまず使用します。これで単純形状を解析しそれと実験値の相関をとります。
(もちろん、その材料が他に使っているなどあればですが・・。)
これに誤差がある場合実験値を優先させてヤング率を修正します。
でも、結構線形部分では、カタログ値でもうまくいきますよ。
POM、PBT、PPS位はやりましたが、まだまだデータ的には少ないのが現状ですね。この辺の値を共有して、情報交換できる場が出来ると良いですね。
(編集担当:Happy 2001/12/22)





NCnetwork