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<有限要素法の将来≠現在>
# No.4600 # 2003年1月21日 # ピピ #
過去ログで評判が良かった書籍「有限要素法のノウハウ」をgetしました。
初心者向けの実用書を探していたのでピッタリの内容でした。
何気なく読み進むと、7章が「有限要素法の将来」となっており、10年後の予想として
・有限要素法のユーザーは、メッシュ分割のことを一切考えなくても...
・CADの詳細な図面をもとに、自動的に有限要素法解析に必要な簡略な図面を創成...
てなことが書いてありました。
初版発行日は93年3月25日ということで、あと2ヶ月しか無いよ~(^^ゞ
うまくいかないもんですね。
何となく、層状燃焼機関を連想してしまいました。
# No.4603 # 2003年1月22日 # ハッピー #
> 過去ログで評判が良かった書籍「有限要素法のノウハウ」をgetしました。
by ピピさん
通称「ピンクの本」ですね。@掲示板だけでの話(笑)
> ・有限要素法のユーザーは、メッシュ分割のことを一切考えなくても...
部品単位の線形解析を主に取り組んでいる人にとっては、CAD組み込み自動メッシュ
付きCAEが、それに近い状態を実現している(Mechanicaも)ようですから
全くのハズレということではないですね。
みんなに同じ将来があるわけではないから。
でも、非線形、非定常から逃れられない私には永遠に来ない将来のような....
# No.4605 # 2003年1月22日 # ピピ #
> 部品単位の線形解析を主に取り組んでいる人にとっては、CAD組み込み自動メッシュ
> 付きCAEが、それに近い状態を実現している(Mechanicaも)ようですから
> 全くのハズレということではないですね。
> みんなに同じ将来があるわけではないから。
byハッピーさん
確かに、私の想像力不足でした。
解析対象によっては、かなりのレベルで実現されているわけですね。失礼致しました。
ところで、「メッシュレス」ってイメージが湧かないんですが、
①高度に進んだAdaptive手法により、ユーザがメッシュ分割を意識する必要が無くなる。
(ユーザがメッシュを確認しなくても精度が確保できるため、あえて表示しない)
②離散化モデルを作成するのに、要素という概念が必要無くなる。
(メッシュそのものが存在しなくなる)
上記①,②のイメージだとどちらになるのでしょうか?どなたか簡単に教えてください。
毎度の事ながら、疑問を感じたその場で質問してますので、参照すべき情報があれば
ご指示願います。
# No.4623 # 2003年1月24日 # ハッピー #
> ところで、「メッシュレス」ってイメージが湧かないんですが、
> ①高度に進んだAdaptive手法により、ユーザがメッシュ分割を意識する必要が無くなる。
> (ユーザがメッシュを確認しなくても精度が確保できるため、あえて表示しない)
> ②離散化モデルを作成するのに、要素という概念が必要無くなる。
> (メッシュそのものが存在しなくなる)
> 上記①,②のイメージだとどちらになるのでしょうか?どなたか簡単に教えてください。
by ピピさん
大きく3つくらいに分かれるでしょうか
1)EFGM(Element Free Galerkin Method)などの、節点だけ使って要素という
概念がないもの。もっとも、要素がないから「節点」という表現はおかしい。
2)Trefftz_Galerkin法のように、大まかなブロック分けで解いてしまうもの。
節点も要素もない。(実用大事典>構造解析>新解法>メッシュレス)
3)メッシュフリー法。(東大矢川先生ら)
ユーザーはメッシュを意識しない。EFGMのように点を空間に配置。でもプログラムが
自動的にマトリックスを作る時にのみ要素を一時的に作っていく。だったかな?
3)は基本的には、通常のFEMと同じ。汎用性はあると思います。
1)、2)は線形・定常問題以外も解けるのかなぁ
(編集担当:burning 2003/11/24)
<CAEは日本の製造業を復活させられるのか? >
# No.4116 # 2002年12月2日 # 管理人 #
おくればせながら「本田宗一郎と井深大展」へ行ってきました。
予想以上の凄い人。夕方に行ったのがまずかったのか、なんと
入場に1時間待ち。でも待った甲斐はありました。感動しました。
ホンダのS500。今でも通用するかっこいい車です。
SONY木原さんの自作磁気テープ。魂の仕事を見ました。
展示会は12/8まで。まだ見ていない方はお勧めします。
詳しくはこちらから。
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/index.htm
世界を目指して大きな志を持ったご両人の
語録を少し紹介したいと思います。
「発明はタネ。まずタネを探すこと。それ以上にその発明を
育てあげることだ。」
井深大
「我々には経験がない。しかし我々には技術がある。」
「技術の競争はあくまで技術をもってすべきである。実用価値の
上に、芸術的価値をあわせ備えたとき、初めて完全な商品になる」
本田宗一郎
CAEは日本の製造業を復活させられるのか?
以上です。
# No.4134 # 2002年12月3日 # チャーリー #
中国パワーが日本製造業の脅威とあちこちで騒がれますが
コンカレントエンジニアリングも、外注コストでの経費削減と
密かにささやかれ始めました。
最近の傾向として偉大な人たちの成功は、実験に基く些細な発見と
長年の継続根気といった部分が目に付きますが
CAEは日本製造業を復活できるのでしょうか?
CAEを武器にするにも、お高い海外製ソフトが多いですし。
皆さん如何、思います。
# No.4135 # 2002年12月3日 # よし☆彡 #
CAEソフトの市場は未開拓だからこのような技術の差と,価格の差が出てくるのでは
ないかと感じます.しかも,市場が膨らんでますから当分はこの状態が続くでしょうね.
価格はほとんどが開発元に流れその多くは研究費ということになるのでしょうが,
それにしても高すぎるのではないかと感じます.さらに,このような枠組みのなかに
一端取り込まれると,どんなバグがあろうが価格改定されようが言うがままに従う
しかない弱い立場に置かれてしまっている,自身の立場に本来の姿とのジレンマ
を感じてます.
中国と言えば言葉の問題があるので,なかなか難しいのではないかと思ってました
が最近の勢いには圧倒されますね.しかしCAEの分野は解析費用より試作費用の
方が安くまだ,企業としての普及はそれほど進んでないようですが,もともとコピー文化
なのであっという間に抜かれるような感じもしますね.
そう考えると,前者の海外のCAEベンダーは技術の流出することなく外貨を定期的に
入手できるわけですから,まさに優良企業と言えるかもしれませんね.我々はもっと技術
を持ち選べる立場にないとまずいのかもしれませんねぇ.
どうでしょう?
# No.4136 # 2002年12月4日 # ベンダーの者です #
> 中国と言えば言葉の問題があるので,なかなか難しいのではないかと思ってましたが
> 最近の勢いには圧倒されますね.
> しかしCAEの分野は解析費用より試作費用の方が安くまだ,企業としての普及はそれほど
> 進んでないようですが,もともとコピー文化なのであっという間に抜かれるような感じもしますね.
既に、非常に高度な解析事例が散見されます。
廉価なコピーソフトで
あれだけの人口が競争すれば、優秀な人材も早く育つでしょう
でも追いつかれても抜かれるかどうかは我々次第か
# No.4137 # 2002年12月4日 # ベンダーの者です #
> 廉価なコピーソフトで
> あれだけの人口が競争すれば、優秀な人材も早く育つでしょう
> でも追いつかれても抜かれるかどうかは我々次第か
中国=コピーと決め付けるのはいけなかったですね。
WTO加盟ですし。正確な実態を知るものでありませんし。
「廉価なコピーソフト」は取り下げます。訂正します。
# No.4139 # 2002年12月4日 # よし☆彡 #
> WTO加盟ですし。正確な実態を知るものでありませんし。
> 「廉価なコピーソフト」は取り下げます。訂正します。
>
コピー文化という言葉は確かに後ろ向きなものもあるかもしれ
ませんが,多くの企業も他社の技術,市場動向がどのようになって
いるかリバーシングして,初めてコストや機能のベストインクラス
などの商品性を決めているかと思います.当たった商品に似た
商品が売り出されることは日本でも良くあります.
(2番手が一番儲けるらしいですが,,)
この文化とは,その様な技術がかっての日本以上に育成されて
いることについて書いてみたんです.
今からはリスクがありながらもオープンアーキテクチャーのもと
企業が結束する時代ですから,国際間も関係ないですよねぇー
PS.食文化も凄いらしく勉強に来られてる方が何でも食べる.
四つ足は机と椅子以外はすべて食べると言ってたそうです.(笑)
# No.4148 # 2002年12月6日 # ハッピー #
ハングリーに対抗できるモチベーションが必要でしょう、まず。
CAEって面白い!と、病みつきになれるよう持って行ければいいかも。
Computer Aided Entertainmentと言えるぐらいにね。
そのためにGUIをもっと楽しくしましょう!
CGやGameの感覚も入れて、勿論、解析の本質をよりリアルにダイナ
ミックに見せるのがツボ
# No.4156 # 2002年12月7日 # imada #
おくればせながら・・・。
> SONY木原さんの自作磁気テープ。魂の仕事を見ました。
機械学会の講演会で木原さんの特別講演を聞きました。
創業者の井深氏や盛田氏を心から尊敬するとともに
非常に自由な発想で技術者魂にあふれた人ですね。
「いい人生を送っているな~」という感じがしました。
> CAEは日本の製造業を復活させられるのか?
ものづくりの楽しさを復活させられるか、「そのためにCAEは
有効なツールとなりうるか?」といったところでしょうね。
ある人の言葉ですが、
「投資対効果に慎重になるあまり踏み出せないでいる会社では、
なかなかCAEの立ち上げはうまくいかない」のでしょうが、これを
自分のものにして、一歩でも二歩でも他に先んじてやろう
という心意気が無いと成功は難しいのかもしれませんね。
成功者の重要なポイントは今も昔も自分の夢を信じて前に足
を踏み出し続けることなのかな~などと考えてしまいます。
# No.4157 # 2002年12月7日 # ハッピー #
> ある人の言葉ですが、
> 「投資対効果に慎重になるあまり踏み出せないでいる会社では、
> なかなかCAEの立ち上げはうまくいかない」
by imadaさん
だからといって、ソフトは高くても良いというわけではありませんよね?
多種多様ソフトを使っておられるチャーリーさん、価格についてのご意見いかが?
> 成功者の重要なポイントは今も昔も自分の夢を信じて前に足
> を踏み出し続けることなのかな~などと考えてしまいます。
「一歩前へ」と言いながら、踏み出せぬまま年を越してしまいそうな私です。
# No.4165 # 2002年12月8日 # チャーリー #
> > ある人の言葉ですが、
> > 「投資対効果に慎重になるあまり踏み出せないでいる会社では、
> > なかなかCAEの立ち上げはうまくいかない」
> by imadaさん
> だからといって、ソフトは高くても良いというわけではありませんよね?
> 多種多様ソフトを使っておられるチャーリーさん、価格についてのご意見いかが?
いくら使い込んでも、ソフト代は明らかに高いですね。
しかし購入するとこが増大しているとのことですからね~。
数日前から、πの1兆桁計算達成とのことでちょっと賑わっていますね。
これが、驚くべきスパコンを使っての計算だそうです。
しかし、64bitであっという間に抜かされる記録とか?
真理の探究は重要かと思いますが、
製造業、一企業でどれだけのことができるのか?
希少なチャンスは、CAEだけではないことは確かな感じがします。
> > 成功者の重要なポイントは今も昔も自分の夢を信じて前に足
> > を踏み出し続けることなのかな~などと考えてしまいます。
> 「一歩前へ」と言いながら、踏み出せぬまま年を越してしまいそうな私です。
消費する喜び(お金をかけること)=CAEの醍醐味とならないよう
来年に期待したいところ。
世の中のニーズは、トレンドを追究する金銭がバロメータなのかもしれません。
でも、最近になって、フリーウエアなりで達成できる
フリーク感覚で頑張れるかなと思う昨今です。
そう思う矢先に、コンパイラも高いなーと痛切に感じる時代に
なってきました。(笑)
そろそろ、変分原理(変分法)の数学的根拠に取り組もうかなー?(笑)
(編集担当:burning 2003/11/24)
<Nastranソース販売>
# No.5605 # 2003年7月12日 # ハッピー #
米/独占禁止法の観点からNastranのソースコードが昨年、MSCさんから
期間限定で売り出されたのは聞いていましたが、EDS社が購入したそう
ですね。
NX-Nastranとして3DCADのUnigraphicsに組み込まれていくそう。
当然、I-deasにも影響がでてくるでしょうね。
MSCと言えば、CATIAのダッソーシステムと強い繋がりがありますが、
Nastranの改良開発でダッソーのライバルEDSと競うことになるわけです。
開発者の切磋琢磨で良いソフトになってくれればユーザーとしては有り難い
ことですね。
# No.5610 # 2003年7月12日 # ハッピー #
#NX-Nastranの記事の自己レスです。
EDS社のFEMAPとMSC/Nastranのバンドル製品であるVisual Nastran
(Nastran for Windows)は、どうなるのか気になりますね。EDSからも別名で
出るのかなぁ。
(編集担当:burning 2003/11/24)
<営業技術Powered by CAE>
# No.4509 # 2003年1月13日 # ハッピー #
日経デジタルエンジニアリング2月号に
D社さんが自社の営業技術者向けのCFDシステムを構築と紹介されてます。
製品仕様をウィザードに従って入力するとCFDモデルが自動生成され、
CFD結果の評価もテンプレート化されて、1,2日で顧客に回答と。
CFDを専門家に頼らず、しかも商売に耐える精度でオートで解くわけ
ですからスゴイ!
さすがにCAEの先駆メーカーさんらしいですね。
#日経デジタルエンジニアリングはIT全般ですが、元が日経メカニカルから
派生しているので、設計ツール、CAE情報も豊富です。
2月号には洗濯機やプリンターの解析事例も。職場に一冊お奨めです。
# No.4513 # 2003年1月14日 # rex_sc #
rex_scです。
明けましておめでとうございます本年もよろしくお願いします。
> 日経デジタルエンジニアリング2月号に
> D社さんが自社の営業技術者向けのCFDシステムを構築と紹介されてます。
> 製品仕様をウィザードに従って入力するとCFDモデルが自動生成され、
> CFD結果の評価もテンプレート化されて、1,2日で顧客に回答と。
> CFDを専門家に頼らず、しかも商売に耐える精度でオートで解くわけ
> ですからスゴイ!
> さすがにCAEの先駆メーカーさんらしいですね。
STAR-LTとSTAR-CDをカスタマイズした例ですね。先日のシーディー・アダプコ・
ジャパンのユーザーズミーティングでも発表をされておりました。
専門的な知識の無い営業技術が利用出来るためには長年のCFD解析技術の
蓄積があったようです。営業技術をバックアップする技術陣(解析専任)の技術
力の高さを感じました。
その他、CDAJのユーザーズミーティングでは、このようなカスタマイズの事例が
数多く発表されていました。やはり、CAEでは根本的に技術者の人数がたりない
ため、ツール化によってその人数の少なさをカバーしているという状況と感じました。
某自動車メーカーなどはCAE技術者だけで300人近くを保有されていて、完全に
CAE技術者にCAEを任せていてソフトのカスタマイズはあえてしないとおっしゃっ
ていました。(使いにくい機能はベンダーに改善要求するらしい)
ここまで、出来るのは大手でも稀だと思います。
まだまだ、CAEは専任者以外には使いにくいもののようです。
もちろん直感的にCAEが利用できるようにCAEベンダーは開発を進めるべきでしょうが、
当面は、対象を限定してカスタマイズして利用するという使い方が必要だと感じますね。
# No.4515 # 2003年1月14日 # atsu #
はじめまして、atsuと申します。
よろしくお願いします。
近頃こちらのサイトを発見し、拝見させていただいておりましたが、あまりの
活発さに、ついついわたしも・・・と書込みさせていただきます。あやまりや
このサイトでのルール違反などあればビシバシご指摘ください。
> > D社さんが自社の営業技術者向けのCFDシステムを構築と紹介されてます。
> STAR-LTとSTAR-CDをカスタマイズした例ですね。先日のシーディー・アダプコ・
> ジャパンのユーザーズミーティングでも発表をされておりました。
> 専門的な知識の無い営業技術が利用出来るためには長年のCFD解析技術の
> 蓄積があったようです。営業技術をバックアップする技術陣(解析専任)の技術
> 力の高さを感じました。
rex_scさんの書込みにあったように「カスタマイズ」によりユーザのスキルに
頼らず解析を実施するというのがはやりのようですね。
自動でメッシュ生成→解析→結果評価ができる汎用ソフトがあればいいのでしょう
がそんなソフトはなく、まだまだCAE,CFDは自社のノウハウがベースになるところ
があるので「カスタマイズ」が注目されるのでしょうね。
カスタマイズと言葉で言うはたやすいのですが、D社のように長年の蓄積があって
カスタマイズが可能になったのであり、一朝一夕にはD社のようなことはできない
のでしょうね。
CAE,CFD解析をご理解しきれない管理職の方々に現場の解析技術者の方はこの辺り
のはどのように説明されてるんでしょうか?(苦笑)
# No.4518 # 2003年1月14日 # rex_sc #
rex_scです。
atsuさんこんにちは。
自分の書込みに返信があるとうれしいものですね。
これからもよろしくお願いします。
> カスタマイズと言葉で言うはたやすいのですが、D社のように長年の蓄積があって
> カスタマイズが可能になったのであり、一朝一夕にはD社のようなことはできない
> のでしょうね。
そうですね。カスタマイズ自体は、CDAJ(シーディー・アダプコ・ジャパン)が行った
ようですが、その仕様を決める能力がないと話にならないと思います。
対象を限定したり、入力パラメータの範囲を決めたりというのは、ベンダーには出来
ないことですからね。自社の経験と判断が頼りです。D社はそこが優れていたのだ
と思います。
> CAE,CFD解析をご理解しきれない管理職の方々に現場の解析技術者の方はこの辺り
> のはどのように説明されてるんでしょうか?(苦笑)
CAE,CFD解析が理解しきれない管理者にカスタマイズの話は厳しいですね。
自分であれば簡単なサンプルを用意して、実際に操作してみせますが。
といっても、サンプルを用意するのが難しいのです。
サンプルの難しさは、どうやって、難しさを表現するかということだと思います。サンプル
は簡単なデータを使用するので、下手をすると、簡単なんだと誤解を招きかねません。
管理者に限らず、人に説明するというのは難しいものですね。
(編集担当:burning 2003/11/24)
<第7回関西CAE懇話会 より 業界動向>
#2267#2001年11月24日#ハッピー#第7回関西CAE懇話会1:CAEベンダーのメッセージ
参加レポートその1です。CAEベンダーのメッセージ(午後のみ聴講)
ESI(PamCrash)、電通国際情報サービス、ANSYS、HKS、日本総研、MSCの
支社長、部長クラスの方が競って今後の方向性をプレゼン。さぞ、百花繚乱入り乱れてと
思いきや...基本的には異口同音でした。現状に相違はあっても目指すところは大差なしのよう。
1.CAEの分極化
設計者向けのCADインテグレート線形CAEと、CAE技術者向け高度CAE
byHPC(High Peformance Computing)の2方向で発展。個人的には賛成しにくいですが。
2.Muli Physics
複数の場の連成、非線形問題などより物理現象を正確に扱えるように。
落下する容器の中の液体の運動を解くために、容器はLagrangeメッシュ、液体は容器に
相対的に固定されたEulerメッシュで扱う例が興味深い。(Dyna)
またESIさんはFEM以外の解法(Smooth Particle Hydrodyamics、Finite Point
Method)にも力を入れて複雑な流体と構造の連成に注力。シーム溶接を相変態を考慮して
解いているのにオドロキ。
3.Multi Stage、Multi Formulation
複数のプロセスを連続して解く。その際に必要に応じて解法をスイッチしていく。
代表的な例として、塑性加工における陽解法と陰解法の切り替えを各社がアピール。
・板成形を陰解法で解き、得られた残留応力を初期状態として衝撃問題を陽解法で解く。
・逆に板成形を陽解法で解いて、スプリングバックは陰解法で解く。
・面白かったのは、陽解法用の複雑なモデルの結合状態を確認するために振動解析を
するというもの。(Dyna)
4.Multi Processing
問題の大規模化に対応するための並列処理は必須のものになりつつある。
5.ソルバーをよりRobust(頑健)に
複雑非線形問題に対し、安定して解を出せるように解法を工夫。
(収束性が上がることと解の精度は別だと、某支社長が明言してらっしゃいました。
高価なソフトは高精度なのではなく、とにかく答えを出すこととベンダーさんも自認。
一方で「非線形問題で感度解析が可能」とPRしておられましたが、数値減衰等で
鈍らされて出てきた解に対するシビアな感度解析に意味であるのでしょうか)
6.WEBベース。Enginnering Data Management、Knowledge Management
解析に関するデータ、ノウハウをWEBでコラボレーションするのが主流になってくる。
蓄積された解析結果からパラメトリックなモデリングを行い、新たな解析を行わなくとも
一次予測を行えるようにする。
7.高度な自動化
エビの天ぷらの、FEMコアをエビとするとその周りのデータ変換、コントロールが天ぷら。
ここの自動化により大規模解析の効率を上げると共にとにかく安定して早く答えを出す。
8.TargetはAutomotive!そしてElectric、AeroSpace。 Driving Forceのある業界に向けて
先ず開発。これを汎用化して他業界へ展開。と分かっちゃいましたが、明確に言われてしまうと
うちのようなMinorityは寂しい(涙)。 シールゴムやタイヤ、エンジンのモデル化に関する
技術開発が中心に進んでいます。 Mobile Dynamicsと言えば、以前はAdamsなどの運動シミュ
レーションが主であったと思いますが、今は走行耐久試験をVirturalに行うために足回り、
車体を厳密にモデル化して悪路走行時にパーツに生じる応力を求める時代と。
9.あと、各社のトピックを
ESI :鋳造解析において初めて気体との連成(背圧)が可能になったそう。
ABAQUS:ボルトの初期締め付け力モデリング機能は特許だそうです。
Dyna :単一のコードのため、安定、安心!(MSC、HKSに痛烈なパンチ!)
MSC :バラバラのソフト(Nastran、Marc、Dytran、Patran他)をAPIで統合しDBを共有
ANSYS :ICEM/CFDを吸収してメッシャーを、WorkBenchでコラボレーションをそれぞれ強化
#2273#2001年11月25日#ハッピー#第7回関西CAE懇話会2:基調講演
基調講演は、日本機械学会会長/東大/小林先生による
「機械工学におけるシミュレーションの役割
流体工学におけるHPC(High Performance Computing)を中心にして」
1.日本からもっと商用CAEを生み出そう
アプリ開発を、Phase1:基礎研究、Phase2:実証ソフトウェア開発、Phase3:実用化
に分けたとき、欧米はPhase1だけでなくPhase2も国が資金援助をし、さらにPhase3で
戦略的にマーケットを提供し育成を促進。対する日本はPhase2、3の支援がなかった!
スパコンソフト実証化を政府に働きかけて5年計画で推進中。
理想は各分野の下記著名ソフトに対抗できる国産ソフトを生み出すこと。
構造解析 :Nastran
半導体設計 :TCAD(http://www.tcad.ee.ufl.edu/
分子軌道解析 :Gaussian(http://q.sse.co.jp/comid/engin/gaussian/
回路設計 :Spice
流体解析(CFD) :Phoenics、αFlow
2.CFDはまだまだ実用レベルでは発展途上
流れの解明に関する歴史的推移は、実験→力学ベースの実験解析→ポテンシャル流れ
理論→NavierStokes式(1845)となる。実験vsCFDという観点で見た場合、実験流体力学
はゲッチン大における風洞実験、水槽実験(1904)以来、100年の歴史を持つのに対し、
CFDはCray1の登場=CFD元年(1976)からであり、圧倒的に技術的蓄積が少ない。
自動車技術会でCFDソフトのコンペを実施しているが、CD(Drag:抗力係数)は
ソフトによる差は大きくなく、また実測にそこそこ合うが、CL(Lift:揚力係数)は
ソフト間で大きくばらつき実測とも合わないなどまだまだ。
大胆に言えば、CFDは学問的には成熟して来たが、
・時間がかかりすぎる。数日~数週間、数ヶ月。
・結果を解釈できる人材の不足
・単純な解析でノウハウを積んでから複雑な流れに取り組む必要がある。
言い換えれば「実務適用までのLeadTimeが長い」が、企業は即戦力化を望み、
いきなり複雑な問題を解く必要がある。(長期戦略の不在)
・検証不十分
であり、CFDの実用面=設計開発とのGapは非常に大きい。
3.CFD今後の動向
従来は、設計者にとって使い易く、且つとにかく答えを提供するために、
安定化、TAT(TurnAroundTime)の短縮、ブラックボックス化、境界条件の単純化
を図り、「相対評価が取りあえず出来る」CFDの開発が進められてきた。
今後は、実験との補完(実験できない領域でCFDで実験並みの精度を得る)を筆頭に
高精度化、複雑現象の扱いなど「絶対評価」を目指すことになる。
高精度と小CPU負荷を両立できる解析手法・モデル化が技術開発の中心となる。
4.解析手法の動向
乱流モデルの解析手法には大きく、
・DNS(直接数値解析、Direct_NS)
・LES(Large Eddy Simulation)
・RANS(時間平均モデル、Raynolds-Averaged_NSモデル)
がある。これらを比較すると、RANSは非定常問題に限界があり、DNSはCPU
負荷が甚大で実用レベルにはほど遠い。LESをHPCで解くのが「非定常で高精度」
を目指すキーとなる。金さえ掛ければLESで実用精度は得られる見通しがついてきた。
5.最後に
複雑・複合現象のCFDは発展途上。実用面とのGAPの解消が必要。
このために、ひとつはHPCのノウハウを共有DB化し、HighPerformanceなCPU環境を
構築する必要がある。(現状は32CPUでScalabilityがサチりかけている)
#600万メッシュでスズメバチの揚力計算、1ヶ月かけて燃焼器の解析など予想はして
いましたが壮大なスケールに口あんぐりでした。
#2379#2001年12月9日#ハッピー#第7回関西CAE懇話会3:感想その1(改
感想その1(の改訂版です)
「ベンダーからのメッセージ」では、各ベンダーさんが一様に「ロバスト性の強化」を
強調していました。接触、塑性加工など非線形性の強い問題では解がなかなか収束せずに
やむなく打ち切ったり、バネを入れたり、ダンピングを入れたりして収束性を高める工夫
をしたり荷重ステップをいじって時間を節約するなどあの手この手を使うことが多いです。
そのようなユーザーの苦労を察して、多少非線形性が強くてもとにかく解を出すロバスト
なソルバーを提供してくれるようです。
ただ、ここで注意しないといけないのは、
(1)非線形リーダーを自認する某ベンダーさが明言していましたが「ロバスト性を高めて
収束解が得られることは真の解を意味するわけではない」ということ。
もともとFEMは近似解を得るものですが、さらに近似の厳密さを緩くして解を求め
ることを優先させるわけです。(接触面の面圧が負になってたりします)
(2)本来なら、接触問題では接触部のメッシュを十分細かくするとか、材料非線形問題で
は応力歪み関係を滑らかな曲線で与えるとか、様々な、より精度の高い解を得るため
(同時に収束しやすい)の注意事項があるわけですが、それらを忘れても(1)により
答えが出てしまう可能性が高い。つまり、モデリングの不備が埋没する恐れがある。
線形問題なら解の妥当性をかなりの精度で判断できますが、非線形問題はラフな推測しか
できずソルバー頼みになってしまう場合が多いですよね。安定して解を出してくれるより、
そのモデル化ではダメとGiveUpしてくれた方がまだ良い場合もあるように思います。
ロバスト増強剤を服用しけて突っ走ると落とし穴が...
一方、小林先生の講演ではCFDはそういう「とにかく解を出す」定性解の時代から
絶対精度へ、前向きというかStepを踏んで高精度化と実用化の両立を目指すそう。
「CAEの2極分化(設計者向けと解析技術者向け)」を志向するのでしたら、後者
に関してはRobust化も実用面で必要ですが、一方で計算機パワーをかければ精度の高い
解が得られる理論の開発にも注力して欲しいと思いました。 また、一方でユーザーが、
副作用のあるRobust増強剤を服用していることを意識できるよう、「Robust化機能=お
任せコース」はデフォルトではなくオプションにしてはいかがでしょうね。
#競ってRobustを連呼しておられたので気になるところを書かせていただきました。
#2380#2001年12月9日#ハッピー#第7回関西CAE懇話会4:感想その2
交流会のパネルディスカッションでは「日本発のCAEを生み出すには」と
小林先生による基調講演の趣旨を次いだテーマが取り上げられました。
が、しかしパネリストがベンダーさんの日本代理店、日本支社でしたので、
プラスな話が出るはずは無く否定的な見解ばかりで残念でした。
ユーザーの立場からは、欧米製か国産かは決定的なものではなく、
(1)ユーザーのニーズを反映した機能、性能
(2)ユーザーの将来ニーズを見越したシーズの提供
(3)十分かつ安定的なサポート
を(4)低コストで得られれば良いと思います。
実際、国産で良質のソフトを送り出されているところは、少ないながらも
頑張っておられ(例えばFemLeeg:http://www.femleeg.org/index.shtml)て、
国内ユーザーニーズにこまめに対応されていると思いますが、市場そのものが
小さいので国産ソフトが飛躍的に増えることは考えにくいかなぁと。
一方で、欧米ソフトに関しては、多くは欧米メーカーのニーズに合わせて開発
され、そのまま日本語化されて導入されているのでは?と気になりました。
(私は多く改善要望を出す方だと思いますが、どれだけ聞いて貰えているのか...)
某ベンダーさんが「新機能開発はTarget業界の有力ユーザーとの共同開発で進め
、その後、汎用化を展開する。」と言ってましたね。欧米の協力ユーザーは日本
ユーザーが手にするより遥か前にノウハウと共にその恩恵にあずかっているわけ
ですから、日本語化されてからライバルが作ったツールを使って果たして勝てる
かどうか。(うちはTarget業界じゃないから所詮、相手にして貰えない(涙))
「失われた10年」と様々な点で日本の立ち後れが指摘されていますが、我々
メーカーが欧米ライバルと競うには、優れたツールを持つことが必要条件で
しょう(十分条件ではない)から、是非、欧米ソフトの日本支社さんには日本
発のアイデアを盛り込んだ開発、商品企画が日本ユーザーを巻き込んで進め
られるようにして欲しいと感じました。(ちょっと大袈裟?)
そのためには開発拠点の一部の日本への誘致や大学とのジョイントなども検討
頂ければと思いますが、いかがでしょう。
(編集担当:burning 2002/03/18)
<CAE業界の現状は>
#2001年6月3日#kiyosi
皆さん、始めまして。
私は現在就職活動中の学生です。
先日、あるCAEのソフトウェア会社さんから内定を頂きました。
おもしろそうだし、会社の雰囲気も良かったので行きたいなと感じたの
ですが、 この業界の知識があまりなく、どうしようか迷ってます。
構造解析のソフトにも色々ありますが、どのソフトが人気があり、
これからユーザーが増えると思われますか?
そんなことわかんねーよ!を思われるかもしれませんが、ご意見頂ける
とうれしいです。
#2001年6月3日#デビルマン#
> 構造解析のソフトにも色々ありますが、どのソフトが人気があり、
> これからユーザーが増えると思われますか?
> そんなことわかんねーよ!を思われるかもしれませんが、ご意見頂けるとうれしいです。
まったく個人的な見解ですが。。。。3次元CADがどんどん低価格に
なってきていますので、CADとリンクした解析ソフトが普及するでしょうね。
現状私は材料非線型など、今使用しているツールでは対応できないテーマは
解析の専門家に依頼しています。これらがCADとリンクしたCAEツールで
対応できるようになれば是非欲しいと思います。掲示板の皆様のご遺意見はいかに?
#2001年6月5日#Lupin#R
> 皆さん、始めまして。
> この業界の知識があまりなく、どうしようか迷ってます。
> 構造解析のソフトにも色々ありますが、どのソフトが人気があり、
> これからユーザーが増えると思われますか?
内定をいただいた会社はCAEソフトを実際に開発する会社なのでしょうか。
それとも外国のソフトメーカーで日本法人は営業とコンサルティングが主体
の会社でしょうか。
私の少ない経験から述べさせていただきますと、大学を卒業してすぐに、
特に後者の類の外資系日本法人に入っても実際にものづくり、設計の経験が
不足しているため仕事内容もいまひとつピンと来ないし、コンサルティング
をするにしても顧客に的確な提案をするのは難しいのでは、と考えます。
よって、あくまで私の勝手な見解ですが、就職の選択肢としてはまずはメー
カー等、ものづくり、設計の現場が経験できる会社に入り、その後どうしても
CAEがやりたいのであればそのような会社に
転職する、というのも手では
ないでしょうか。
ただしこれは会社に入って、設計等の部署に配属されればの話ですが。
日本の会社は新卒者が希望の部署に配属される、ということはむしろ可能性
としては少なく、全く意にそぐわない部署に配属されることも少なくありません。
また、設計をやりながら自分でCAEもやる、というスタイルが、若いうちの
キャリアを積むにはよいのではないかとかとも考えますので、メーカーとはいえ、
CAEに触れる機会が全くない部署に配属されても意味がありません。
以上、的を得ない無責任な発言になってしまいましたが、参考になれば幸いです。
またこの意見はkiyosiさんが理系の学生さん前提で述べさせていただきましたが、
もし文系の学生さんだったらあまり参考になりませんね。ごめんなさい。
#2001年6月5日#kiyosi#
> 内定をいただいた会社はCAEソフトを実際に開発する会社なのでしょうか。
>それとも外国のソフトメーカーで日本法人は営業とコンサルティングが主体の会社でしょうか。
そこは本社が外国にあり、主にそちらで開発しているそうです。一部は日本
でも開発しているらしいのですが、基本的には営業とコンサルとあとは解析
の受託をしているそうです。
> 大学を卒業してすぐに、特に後者の類の外資系日本法人に入っても実際に
ものづくり、
>設計の経験が不足しているため仕事内容もいまひとつピンと来ないし、
>コンサルティングをするにしても顧客に的確な提案をするのは難しいのでは、と考えます。
やっぱり、実際に経験しなければコンサルティングは難しいですよね。最初の
何年間かはソフトの使い方をサポートしているそうなのでそこで、経験つむしか
ないかなとも思ってます。
ちなみに僕は工学部の学生です。
#2001年6月5日#ハッピー#
> やっぱり、実際に経験しなければコンサルティングは難しいですよね。
>最初の何年間かはソフトの使い方をサポートしているそうなのでそこで、
>経験つむしかないかなとも思ってます。
by_kiyosiさん
経験を何処で積むか?ということで言えば、必ずしも一般のメーカーが
ベストじゃないでしょう。
Lupinさんがおっしゃっていたように、希望する配属になるのはイチローの
打率より低いでしょうし、設計業務についても、そこの製品の一部の設計
経験しか積めない。
ソフトメーカーとなると、会社によりますが「現場」を知らないケースが
結構ある。もう一つの選択が、大手の設計請負会社でしょうね。企業から
設計業務を丸ごと請け負ったりしています。
そういうところだと、CAEなども力を入れているでしょうし多様な経験
も積めるかも。
どのソフトが売れ線か?というのはよく分からないですね。営業さんに売り
上げグラフを出して貰うと、決まってそこのソフトが一番ですから。
ただ、CAD/CAE業界は、人材の流動性が非常に高いようで、会う度に名刺が
変わる人もいます. 他の業界よりは、将来性を気にしなくても良い(見通し
が立ちにくい?)のかも。
#2001年6月6日#デビルマン#
こんにちわ。まずは内定おめでとうございます。
様々な希望に燃えていることと思います。またこのような有意義な掲示板で
意見を求める所を見ますと大変勉強熱心な方と察します。今後様々な試練が
待ちうけているとは思いますが、頑張ってください。
そのうち直接お会いする事があるかもしれませんね。その時にはよろしく
お願い致します。
さて、この業界でどのソフトが売れ筋か。ハッピーさんが書かれているように
「どのソフトが売れ線か?というのはよく分からないですね。
営業さんに売り上げグラフを出して貰うと、決まってそこのソフトが
一番ですから」というのが現実です。
ここであくまでCAEユーザーの一人として言わせて頂きます。
ベンダーさんが展示会などで発表される「世間で1000ライセンス売れてる」とか、
「年間の売上がどーのこーの」なんてどーでもいいんです。
商品開発に役にたつのであれば1千万円だろうが1億円だろうが、買うと思います。
ユーザーとしてはどのように使えるのか、どう役に立つのかが欲しい。
その答えを出せるベンダーさん優位に立てるのではないでしょうか?
(編集担当:burning 2001/12/21)