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<設計用のCAE>
#2001年2月15日# ff#
初めまして。
解析エキスパートの方が沢山ご覧になっているようなので
ちょっとお伺いしたいのですが、
最近の3次元CADシステム(例えばSolidworks、SOLIDEDGEなど)
は設計者でも使える解析ソフトと称して
様々なものが出ていますが、
例えば構造解析のソフトは、設計のどの段階で使用するのが
適当なのでしょうか?
設計者にいきなり解析ソフトを与えても、
荷重条件、拘束条件をどのように設定してよいのか困るし、
形状を詳細に作りすぎてもメッシュが切れなくて困ったりと
用途に困るときがあります。
詳細に解析するのであれば解析者の方に任せてしまえば
とも思ってしまいますし..。
解析者の方にとってそのあたりの意見をお聞かせ願えればと
思います。
# 2001年2月15日# imada#
>例えば構造解析のソフトは、設計のどの段階で使用するのが
>適当なのでしょうか?
これはいつも問題になるところなのですが、基本的に
「構想設計」の段階で解析をしないと、ソフトを購入
した元が取れるほどは役に立ちません。
しかし、実際にはこの段階で解析をどう使っていいのか
わからない人が多いもの事実です。
よく聞くのが、「解析条件が決まっていない、わからない」
と途方にくれるパターンです。
3次元設計のコンサルティングを受けた方ならご存知でしょ
うが、トップダウン手法というのがあります。
最初に必要な機能と要件を洗い出し、それを「マップ」等
と呼ばれる基本構想図として起こし、すべてそれに基づいて
下流の設計を進めていく方法です。
この方法は従来型の行き当たりばったりの設計手法の延長では
うまくいきません。今から設計するものに何と何が必要なのか
整理されていないとまったく前に進まないのです。
3次元設計が効果が上がらないと言われる方の多くは(ソフトの
バグの他には ^^;;)この部分ができていないからです。
そして、それは解析についても当てはまります。
構想設計の段階で、きっちりと設計要件が押さえられていれば、
マップをもとにした極単純形状のモデルの解析でも有効な解析
結果を得ることができます。
そして、設計が詳細に進むにつれて、解析も詳細度を増し、その
都度実行しますが、注目する部位がだんだん絞られてくるので、
最後に複雑なモデルを長時間かけて解析するような必要性は減っ
てきて非常に効果的になります。
(もちろん、この流れの中で複雑な解析や特殊なものは解析専任者
や外部に委託していくのが有効だと思います)
このような流れが理想的と思われます。本来の意味での「設計」
が行われていれば難しいことではないのですが・・・。
# 2001年2月16日# ハッピー#
>設計者にいきなり解析ソフトを与えても、
>荷重条件、拘束条件をどのように設定してよいのか困るし
by_ffさん
本来なら「困る」のはおかしいんです。設計者が強度設計するときは
当然、どこかを拘束して考えるはずなのですから。
適用法はケースバイケースですから、設計者の方が自ら世の中の「進んだ」設計者の
事例をなるべく多く見て自分で気付いて目覚めて貰うのも一つの手ではないでしょうか?
# 2001年2月16日# Nokyo#
> 本来なら「困る」のはおかしいんです。設計者が強度設計するときは
> 当然、どこかを拘束して考えるはずなのですから。
設計者は、何処が止まっていて、何処に力が掛かる、と言うことは
解っていると思います。
ただし、それを拘束条件・荷重条件として与えるとなると解らない
のでしょう。
つまり、解析モデルの作成ができない、と言っても良いと考えます。
# 2001年2月17日# ハッピー#
私には、構造物を梁やシェルに単純化して強度計算をする、昔ながらの
手計算モデル化の方がよほど難しいと思います。
CAEが怖いのは、手計算が出来ない人でも機械的にモデル化すれば答えがでてしまうことです。
# 2001年2月17日# imada#
> 設計者は、何処が止まっていて、何処に力が掛かる、と言うことは
> 解っていると思います。
> ただし、それを拘束条件・荷重条件として与えるとなると解らない
> のでしょう。
> つまり、解析モデルの作成ができない、と言っても良いと考えます。
おっしゃるとおり多くの設計者はそのような状態にあり、解析ツールを
使いこなせないでいると思います。しかし、元記事の主旨から言って、
ここでは、解析モデルへの落とし込みはできる人を対象としていると
思います。
でないと、設計のどの段階であろうと解析はできないはずですから。
>
>関西設計CAE懇話会などに出席しただけでは、解析ができるようには
>ならないでしょう。
>
>これも、CAEが普及しない原因の1つでしょうか?
「設計者が設計のプロセスに有効にCAEを取り込めていない」という見方
からすると確かに「普及し」ていないように感じますね。
解析者と設計者の壁が(低くはなったものの)まだまだあるように感じ
ます。
No.740# 設計者の習熟
# 2001年2月19日# よし☆彡#
設計者が解析を習うとき、解析結果の判断方法を具体的に習うことは少ないと思います。それは、モデル化と判断方法は一心同体で、モデル化の方法を具体的に指示しなくてはならないからです。
私が感じている設計者の習熟を見てみると、3つのフェイズがあります。
フェイズ1 若葉マーク
アカデミックなので飛びついて使ってみる。
この段階では設計検証は解析で行ったというと、誰もが信じやすいし、自分の行った解析結果は正しいと本人も信じています。多分この段階の人がほとんどでしょう。
でも、その状態が重要な検証であればあるほど一番危険な状態です。たとえば、プログラムで言えば、ウイルスの入ったソフトを製品化するのと同じでしょう。このウイルスは、承認者に私は悪いことはしませんと信じ込ませる悪いウイルスです。
フェイズ2 疑い
何度も使ってみると、やるたびに答えが変わったり辻褄が合わなくなります。
本人はその原因を理解できません。そこで、一般の講習やユーザの事例を参考にします。ここで、フェイズ3に直行する人と勘違いをする人と二つに分かれます。
勘違いする人は、事例をのなかで「私の会社では##のようなモデルを計算した結果、実験結果より××%低い結果が出ました。」というのを聞いて、そーか解析は××%低い結果がでるのか、と思ってしまう人です。つまり、自社の製造能力、材料、モデル化、評価をさておき結論だけを信じてしまう人です。
このような人は、(都合の良い)思い込みのルール(ノウハウ)を解析や技術計算の式の中に折り込んでしまいます。(みなさんの近くの設計は大丈夫ですか?)
大概そう言った物が複雑であればあるほど、後継者や同僚もその方法や式を鵜呑みにします。ですから、組織的な問題になってしまいがちです。
もちろん事例を聞くことは大切ですが、聞いても、ユーザの目的、着眼点、思考錯誤の過程を意識して聞く心がけが大切です。また、実際中身を聞いていて、思い込みの発表事例も意外と多いということも私自身は感じてます。
フェイズ3 あきらめ
問題が起こる、解析結果と実験結果が合わなかった。何を信じてよいか迷う段階です。たぶん、[解析は合わないから]と諦めてしまう人も出るかもしれません。
設計者は解析者と違い、解析を探求する時間がありません。多分近くに専門家が入ればサポートをうけるでしょう。 これで一件落着です。専門家がいない人は大変です。フェーズ2に戻りますか? 私はCAEコンサルティングに診てもらうことをお勧めします。
とまあ、こんな感じですが設計者に簡単な解析を習熟させることは大変です。でもその効果を知っているからこそ必要なのでしょう。また、設計の習熟の近道は専門家の作った製品ごとの解析マニュアルです。もし、あなたが設計の解析も管理するなら、よく勉強して、正しいマニュアルで具体的方法(この寸法は何分割が必要で、この解析結果からは応力集中の形状係数αしか使用してはいけない、など)の用に具体的に示す必要があると思います。決して、“細かく切ること”なんて言葉は設計者が想像を働かせ過ぎますので、禁句です。(笑)
解析は手段ですが、やっているうちに手段が目的になっりがちなので、解析は厄介なのだと思います。(笑)
# 2001年2月19日# りす#
>このような人は、(都合の良い)思い込みのルール(ノウ
>ハウ)を解析や技術計算の式の中に折り込んでしまいま
>す。(みなさんの近くの設計は大丈夫ですか?)
弊社内での事例ですが,管内にこびりついた貝が剥がれ
るかどうかの検討する事例があったそうです。小流量の
場合と大流量の場合でどうなるかを検討すれば十分なの
に,小流量から大流量に時系列で変化させたらどうなる
かを検討をはじめてしまいました。水路内流れ解析は
Re>1,000,000と大きいので,非定常計算なんか計算時間
の観点から鼻から不可能なのに担当者が「検討する!」
といって言うことを聞かず,さてさてどうするのかなと
思ったら,
小流量=20m3/s→10m3/sきざみずつ増加→60m3/s
(大流量) の5ケースごと定常流計算をして20,30,40,50
,60m3/sごとの流れの可視化画像をアニメ化して「流量を
20m3/s~60m3/sに増加させた場合,このように水は流れ
ますよ」と出先で説明したそうです。
他には,メッシュを細かく切れば精度が上がると単純に考
えているので,いつも解析は何十万メッシュでいろんなソ
フト上の特殊機能をテンコもりで使うせいか,彼のやる流
体計算はいつまでも解けず,委託業務が始まって半年後に
直属の上司に「この計算終わったか」と聞かれ,「解けま
せんでしたので,解けないということで報告したいです」
と答え,上司に「何考えてんだ,いい加減にしろ」と言わ
れた事例を聞いたことがあります。
弊社の場合,プロパーでないので専門的にやる人は人事政
策上育成しない方針なので,担当者の質が悪いと,上記の
結果が出てくる次第であります。
無論,その彼は4年その職場に在籍してるのですが,社内報
告書,外部発表論文数は0本であることはいうまでもありま
せん。(上司がけつをたたいても何も書かない何もしない)
(編集担当:Matsui 2001/12/18)