プラスチックの知恵袋/分類別

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成形樹脂機械金型品質その他

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  • ICI法
    [あいしーあいほう] [樹脂]
    純粋にしたエチレンに少量の酸素あるいは過酸化物を触媒として加え、2000気圧程度の高圧下で重合させてポリエチレンを得る方法をいう。この重合法はポリエチレンの工業的生産法として1930年代にイギリスのICI社(Imperial Chemical Industry Ltd)がはじめて開発した有名な方法なのでこの名で呼ばれることが多い。高圧を利用するので高圧法とも呼ばれる。現在では世界的に見てもポリエチレンの生産法の主流を占めている生産方法である。この方法によると主として低密度ポリエチレンが得られる。

  • アクリル樹脂
    [あくりるじゅし] [樹脂]
    射出成形用のものは、メタクリル酸メチルの重合体を主成分としたもので透明性に優れ流動性はポリスチレンより悪く、吸湿性があるので成形に際しては、充分に乾燥して水分を除去する必要がある。

  • アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)
    [あくりろにとりるぶたじえんすちれん] [樹脂]
    アクリロニトリル(A)ブタジエン(B)スチレン(S)の3つの単量体からなるポリマー、それぞれの単量体の頭文字をとりABS樹脂という。特にブタジエン(B)の比率をかえることにより、性質は大幅に変化し、高衝撃品種から高剛性品種までできる。特殊グレードとして耐熱、透明、メッキ用のグレードがある。

  • 安定剤
    [あんていざい] [樹脂]
    プラスチック加工のとき、およびその製品の使用期間中に、物理的および化学的性質が低下するのを防止するためにプラスチック加工の配合時に加える物質をいう。

  • EPM(エチレンプロピレンゴム)
    [いーぴーえむ] [樹脂]
    Ethylene Propylene Methylene Linkageの略。エチレンとプロピレンとの共重合によって得られる合成ゴムの一種で、Mは分子内にメチレン結合を含むことを示す記号である。このゴムは天然ゴムや他の合成ゴムよりも著しく耐老化性に優れているのが特徴であるが、分子内に不飽和結合を含まないので硫黄加硫が行えず、過酸化物によって加硫しなければならない。用途としては、電線被覆材、ゴムタイヤ、ホースなど通常のゴム製品とほぼ同様の分野で使用されている。

  • EPDM(エチレンプロピレンジエン三元共重合体)
    [いーぴーでぃえむ] [樹脂]
    Ethylene Propylene Diene Methylene Linkageの略。エチレンとプロピレン系に第三成分として非共役ジエン類を加えて得られる三元共重合体をいう。この内、エチレンが30%〜70%、ジエン類が5%〜10%を含むゴム状弾性体は合成ゴムとして有用な性質を持つ。すなわち、硫黄、過酸化物、キノイド類などで加硫することができ、熱安定性、耐老化性などに優れているのが特徴である。用途としては、電線被覆材、各種工業用品などに用いられている。

  • 永久伸び
    [えいきゅうのび] [樹脂]
    元来は材料に引張り荷重をかけ、その荷重を除いた後にも永久的に残る材料の伸び率をいう。すなわち永久ヒズミの一種をいう。実際のプラスチック材料については、ダンベル形試験片に引張り荷重をかけて規定伸び率まで引き伸ばし、10分間その状態で保持した後、速やかに荷重を除き、10分間放置した後の伸び率を原長に対して求め、永久伸び率(%)とすることが規定されている。(JIS K 6301)

  • 永久ヒズミ(永久変形)
    [えいきゅうひずみ] [樹脂]
    材料に外力を加えて変形させる過程で、応力が弾性限度以内である間にこれを取去ればヒズミは完全に消失するが、弾性限度より大きい応力を加えた後これを取去れば、もはやヒズミは完全には消失せず、その一部分あるいは大部分が残る。これを永久ヒズミという。このヒズミが伸びヒズミの時は永久伸びという。

  • AS樹脂(SAN)
    [ええすじゅし] [樹脂]
    スチレンモノマーとアクリロニトリルの共重体であり、GPPS(ポリスチレン)にほぼ近い透明性をもつ。GPPSと比較して、強度、耐候性、耐薬品性、耐熱性などに優れている。

  • 液晶ポリマー(LCP)
    [えきしょうぽりまー] [樹脂]
    液晶構造を発現する高分子の総称。高分子液晶も低分子液晶と同じくある温度範囲で(サーモトロピック)液晶性あるいは溶液状態で(リオトロピック)液晶性を示すものに分類される。さらに液晶ポリマーは、その液晶構造の発現のもととなるメソゲン基が直接主鎖にのみ入ったもの(主鎖型液晶ポリマー)、側鎖にのみ入ったもの(側鎖型液晶ポリマー)、あるいはその両者に入ったもの(複合型液晶ポリマー)に分類される。現在実用化されている液晶ポリマーは、リオトロピック液晶ポリマーでは代表的なものに、ケブラーに代表される全芳香族ポリアミドであり、サーモトロピック液晶ポリマーでは代表的なものに、ザイダーやベクトラに代表される全芳香族ポリエステルがある。液晶ポリマーの特徴はその剛直鎖の配向に起因し、一般に耐熱性、すぐれた強度特性、低熱膨張性および配向状態を得やすいことであり、これらの性質を利用して、高強度、高弾性率の繊維としての応用や、成形品として前述の特性を利用し電気、電子部品などに使用されている。

  • エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)
    [えちれんさくさんびにるきょうじゅうごうたい] [樹脂]
    エチレンと酢酸ビニルを共重合した熱可塑性樹脂でEVAと呼ばれる。通常酢酸ビニル含量40%程度までのものが用いられる。酢酸ビニル含量の少ないものは低密度ポリエチレンに近い性質を示すが、より強靭性を示す。酢酸ビニル含量が多くなるに従って柔軟性を増し、ゴムに近い性質を示すようになる。JIS K 6731 にその品質規格が表示されている。酢酸ビニル含量の少ないものは低密度ポリエチレンと同様の用途に使用されるが、酢酸ビニル含量の多いものは履物やレザーなどの雑貨やホットメルト接着剤などの用途に使用される。

  • FRTP
    [えふあーるてぃぴい] [樹脂]
    熱可塑性樹脂の性質を特に損なうことなく、機械的、熱的性質、寸法安定性の改良を目的としてガラス繊維やアスベスト繊維など繊維状物を添加した強化プラスチックをいう。

  • 塩化ビニール(PVC)
    [えんかびにーる] [樹脂]
    塩化ビニールの重合体で、熱可塑性樹脂として最も古く、成形加工時の熱安定性が悪く、ヤケの発生、金型及びスクリュシリンダの腐食などが通常発生しやすい。耐水性、耐薬品性、電気絶縁性、難燃性、耐候性に優れている可塑剤、安定剤などの添加配合によりSPVCとHPVCに分けられる。

  • エンジニアリングプラスチック(エンプラ)(高機能樹脂)(高分子樹脂)
    [えんじにありんぐぷらすちっく] [樹脂]
    エンジニアリングプラスチック(略称エンプラ)は、構造材や耐熱、耐じん性の高い材料、部品等に使用できるプラスチックで、一応、引張強さが50MPa以上、伸びもある程度大きく、衝撃強さが50J/m以上、荷重たわみ温度が100℃以上で、耐薬品、耐難燃、耐候性もすぐれているプラスチックをいう。またエンプラの中でも、汎用エンプラとスーパーエンプラ(特殊エンプラ)に分類されている。代表的な樹脂に、汎用エンプラでは、PA、POM、PC、PBT(PET)、変性PPEがあり、スーパーエンプラでは、PPS、PAR、PEI、PSF、PES、PEK、PEEK、PI、PAIなどがある。

  • 塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー
    [えんそかぽりえちれんけいねつかそせいえらすとまー] [樹脂]
    熱可塑性エラストマーの一つで、ハードセグメントがブロック型塩素化ポリエチレンからなり、ソフトセグメントがランダム塩素化ポリエチレンからなり、ポリエチレンの水中エマルジョンに塩素ガスを反応させて作られる。未加硫で使用されるが、過酸化物やアミンで架橋して使うこともできる。耐候性、耐オゾン性、耐油性、耐薬品性、難燃性がすぐれPE、PS、ABSなどの難燃性、耐衝撃性附与剤としても使用される。

  • オレフィン系樹脂
    [おれふぃんけいじゅし] [樹脂]
    二重結合を1箇もった鎖状炭化水素の総称で、結晶高分子からなるため結晶化度により物性が変化する。この系統の樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレンがある。オレフィン系樹脂は、一般的に比重が小さく、耐薬品性が良く、射出流動性も優れているが、成形収縮率が大きく塗装、接着、ホットスタンプなどの二次加工が劣る。

  • オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)
    [おれふぃんけいねつかそせいえらすとまー] [樹脂]
    熱可塑性エラストマーの一つで、ハードセグメントとしてポリプロピレン、ソフトセグメントとしてエチレンプロピレンゴムからなり、単に機械的に混練ブレンドしたタイプと、ソフトセグメントのみを有機過酸化物で架橋したタイプに分類される。TPEの中で最も比重が小さく(0.88)、耐熱性、耐候性、耐オゾン性がすぐれ、電気特性も良好である。主な用途として、自動車のバンパー、防水シート、各種パッキング、ホース、スポーツ用品などに使用されている。

  • 荷重たわみ温度
    [かじゅうたわみおんど] [樹脂]
    熱変形温度を参照。

  • 可塑剤
    [かそざい] [樹脂]
    樹脂の可塑性を良くすると共に、製品に柔軟性を与えるために樹脂に加えられる液状または固体状の物質をいう。

  • 滑剤
    [かつざい] [樹脂]
    熱可塑性樹脂を成形するときに、その流動性を改善して加工を容易にするため、あるいは成形品を金型から抜き取ることを容易にするために添加をする薬剤をいう。


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