プラスチックの知恵袋/50音順索引

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  • 耐アーク性
    [たいあーくせい] [樹脂]
    絶縁材料がアークによる劣化に耐える能力をいう。芳香環を含まず、炭素主鎖の途中に N 、 O などが結合しているプラスチック(たとえば、アミノ樹脂)は炭化しにくく耐アーク性が良いが、フェノール樹脂は耐アーク性が劣る。

  • 耐菌性
    [たいきんせい] [樹脂]
    各種菌の侵食に対するプラスチックの抵抗性をいう。

  • 耐候性
    [たいこうせい] [樹脂]
    プラスチックの光、熱、風、雨などの屋外条件下で暴露したときの耐久性をいう。長期間を要する屋外暴露試験と人工促進試験によって評価される。

  • 耐候性改質剤
    [たいこうせいかいしつざい] [樹脂]
    プラスチックは光、熱、酸素、水、オゾン、微生物によって劣化し、外観の変化、機械的、電気的性質の低下を生ずる。これらのすべてを改質するものはないが、一例としてこれらの劣化を生ずる因子の中で光による劣化が大きいことから、紫外線を吸収し、熱として放散し光による劣化を出来るだけ少なくする副資剤としては、サルチレート、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール系のものがある。酸化反応の制御のためには、プロピルガレード、ρ−ブチルアミノフェノールなどの酸化防止剤、分散防止用安定剤としては、三塩基性硫酸鉛、有機スズ化合物などがある。

  • 耐コロナ性
    [たいころなせい] [樹脂]
    コロナ放電による劣化に耐える絶縁材料の能力をいう。

  • 耐食性
    [たいしょくせい] [樹脂]
    屋外暴露、化学薬品などによって生ずる腐食に耐える能力をいう。

  • 体積収縮
    [たいせきしゅうしゅく] [樹脂]
    プラスチックの成形についていえば、金型の中で溶融状態から固化した時に生ずる体積の収縮が問題となることが多い。金型設計の際に重要なファクターとなる。

  • 体積抵抗率
    [たいせきていこうりつ] [樹脂]
    電気絶縁抵抗の大きさを表わすものであり、絶縁体の内部に1cm3の立体を考え、その相対する両面間に電圧を印加し、そのとき立体を通る電流で電圧を除した電気抵抗である。Ωcmの単位で示す。

  • 体積膨張率
    [たいせきぼうちょうりつ] [樹脂]
    固体の体積が温度によって変わる割合を単位温度当りの体積ひずみで表わしたものである。

  • 帯電防止剤
    [たいでんぼうしざい] [樹脂]
    プラスチック、ゴム、繊維の表面の電気抵抗を小さくして、静電気の発生による帯電を防止するために成形材料に添加したり、表面に塗布する副資材をいう。界面活性剤、無機塩、多価アルコール、金属化合物、カーボンなどがある。

  • 耐トラッキング性
    [たいとらっきんぐせい] [樹脂]
    絶縁材料が高電圧のもとで導電路が形成されて破損に耐える能力をいう。

  • 耐熱性
    [たいねつせい] [樹脂]
    材料の高温における安定性をいい、溶融、軟化、熱分解温度が高いこと、高温において酸素、オゾンその他の物質の影響を受けにくいこと、物性が低下しないことなどが対象になる。

  • 耐熱PETボトル(耐熱ペットボトル)
    [たいねつぺっとぼとる] [成形]
    ジュースなどの果汁飲料用ボトルとして使用されている内容品の熱間充填が可能なPETボトルをいう。通常の射出延伸ブロー成形で成形されたPETボトルは、85℃程度の熱間充填においても胴部や底部の変形、収縮が生じたり、口部の変形によりキャッピング不能となる。耐熱PETボトルでは、ボトル口部は加熱により白化結晶化され、胴部および底部は100℃以上に加熱されたブロー金型でヒートセットが施こされる。胴部をヒートセットする方法としては、1モールド法と2モールド法がある。前者は、温度の高いブロー金型内でヒートセットする方法で、装置は単純であるが生産速度が低下する。後者では、ヒートセットと冷却を第二の金型で行うものである。

  • 耐燃性
    [たいねんせい] [樹脂]
    プラスチックが燃焼に耐える能力をいう。炎にさらされているときは燃えるが、炎を取り去ると燃焼が続かず消える能力をいう。

  • タイバー
    [たいばー] [機械]
    成形機においてダイプレートをささえかつ金型の開閉動作を案内し、また型締中は型締力を受けとめる2本以上の支柱あるいは枠をいう。

  • タイバー間隔
    [たいばーかんかく] [機械]
    成形機のタイバー間の内側をいい、水平及び垂直それぞれの方向の寸法をもって表す。

  • 耐薬品性
    [たいやくひんせい] [樹脂]
    プラスチックでは、金属のように水分などにより錆びる現象は少ないが、有機溶剤や強酸、強アルカリに侵されるものがある。しかしフッ素樹脂、PE、PP、POMなどのように薬品に侵されにくいものも多く、特に塩類にはほとんど侵されない。プラスチックの構造によって縮合などで製造されたポリアミド、ポリエステルでは、強酸、アルカリによって加水分解され、高温では水の存在下で分子量が小さくなる(強度が低下する)。ビニル重合したプラスチックは一般に極性基をもつため、溶剤に弱く( 例 酢酸ビニル PMMA、PVC、CAなど)、これに対し、炭素と水素からなるPE、PPなどは耐薬品が良く、逆にこれを溶かす溶媒がなく、印刷適性も悪くなる。この水素をフッ素に変えたのがフッ素樹脂であるが、これはさらに耐薬品性がすぐれる。

  • 耐油性
    [たいゆせい] [樹脂]
    プラスチックが油類に対して膨潤、溶解せず、クラックの発生がなく、外観、形状の変化または物性の低下に耐える能力をいう。

  • 耐溶剤性
    [たいようざいせい] [樹脂]
    一般に極性のプラスチックは吸水率も大きく、水を含むと強度の低下、透明性の低下、膨張などを起こす。これに対し溶剤に対して侵されにくいものが多い。たとえばPA66、アイオノマー、ポリウレタンなどは、水に弱いが耐溶剤性はすぐれている。またアクリロニトリル共重合体も耐油性が良好である。耐水性の悪いプラスチックは少ないが、エチレン−ビニルアルコール共重合体はすぐれたバリヤープラスチックであるが、耐水性は良くない。逆にビニル系プラスチックは耐溶剤性が良くないが、耐水性は良好である。(たとえばPS、PVCなど)。耐薬品性にすぐれているフッ素樹脂、PP、PE、POM、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどは、耐溶剤性もすぐれる。

  • 滞留時間
    [たいりゅうじかん] [成形]
    成形材料が加熱シリンダに入ってから出てくるまでに要する時間。この時間が長いと熱安定性に乏しい材料では、成形不良などのトラブルを起こすことがある。


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